英単語を高速で暗記するためのアプリ「mikan」は、高校生の間で人気を博しているようだ。mikanは2回目となる「全国高等学校英単語選手権」を開催し、さらに多くの高校生ユーザーを獲得したい考えだ。
以前TechCrunch Japanでも紹介しているが、mikanは次々と繰り出す英単語のカードをスワイプして覚えていくアプリだ。知っている単語を右に、知らない単語は左にスワイプする。一回で覚えられず左にスワイプした単語は、ユーザーが覚えるまで何度も登場する。短時間でテンポよくスワイプすることで、効率的な英単語の学習を促進する仕組みだ。
mikanは当初、この「カードめくり学習」を押し出していたが、英単語の意味を4択から選択するテスト式も実装している。ユーザーは設定から自分に合った勉強法を選べるようになった。
今回、mikanは高校生を対象とした「第二回全国高等学校英単語選手権」を開催する。mikanで学習するごとに獲得できるポイント数を学校別で競い、各都道府県から10月末時点で獲得ポイントの多い3校が決勝へと進む。決勝ではテストを実施し、優勝を決める。優勝校には100万円を贈呈し、優勝校の学生は学習した分に応じた金額を受け取る形だ。 mikanは今年の6月に第一回全国高等学校英単語選手権を開催した。その影響で、mikanの高校生ユーザーは10万人を突破したとmikanの代表取締役、宇佐美峻氏は話す。特に大学受験を目指す進学校で多く利用されているという。第一回選手権の結果も1位は三重県の暁高校、2位開成高校、3位筑波大学附属駒場高校と上位に進学校が並んだ。選手権に参加するにはmikanに通っている高校を入力する必要があるが、1人でも登録している学生がいる高校の数は4700近いと宇佐美氏はいう。これは全国の9割以上の高校にmikanユーザーがいる計算だという。
通常の広告出稿に100万円を使うより、マーケティング施策として良い効果が得られていると宇佐美氏は話す。
2回目となる今回は賞金100万円に加え、企業が提供するスポンサー賞も用意しているそうだ。レアジョブからは「Skype英会話」コース半年分を10名に、スクールウィズからは「セブ島留学」コースを1名に贈る。また勉強を記録・共有するSNS、Studyplusのスポンサーも受けている。
もともとmikanは高校生向けに特化したアプリではない。今でもmikanのアプリではセンター試験や大学受験を想定した英単語の他にTOEICやTOEFL対策の英単語も用意している。ただ、大学受験に向けて勉強している高校生がアプリの一番のボリュームゾーンとなると考え、高校生にアプリを訴求することにしたと宇佐美氏は話す。
高校生がメインのターゲットとした場合、彼らに直接課金してマネタイズすることは難しいだろう。宇佐美氏はマネタイズについて、学校や塾向けのサービスや機能開発を検討していく計画と話す。例えば、学校で勉強している内容とmikanでの学習コンテンツが連動する機能や教師から生徒に課題を設定する機能などを検討しているという。「mikanで英単語を学ぶだけでなく、高校生たちが英語ができるようになってほしい」と宇佐美氏は話している。