米国防省の1兆円超えクラウド入札に関するオラクルの訴訟が棄却

Oracleは、国防省のクラウドプロジェクトであるJEDIの100億ドル(1兆800億円)で10年契約の購買プロセスについて、昨年提案要求書が提示される前から不満を訴えてきた。そして昨年12月には裁判を起こし、購買担当メンバーの中に利益相反する人物がいる可能性を指摘した。米国時間7月14日、連邦裁判所はその訴えを退けた。

訴訟の棄却に際し、連邦請求裁判所のEric Bruggink(エリック・ブルッヒンク)上級判事は、原告は購買手続きの不備を証明できなかったと判断した。これは国防省自身が以前行った二度にわたる内部監査結果とも一致する。ブルッヒンク判事は最終的に国防省の見解に同意した。

本法廷は、組織的な利益相反は存在せず個人的利益相反は購買行動に影響を与えなかったとする契約担当官の報告に、恣意的、専断的、最量の濫用その他の違法性がなかったと裁定した。よって当該管理記録の判定に関する原告の判決申請は棄却された。

以前同社は、会計検査院を訴えた裁判で敗訴しており、そこでも購買プロセスは公正であり特定企業の優遇はなかったと裁定された。Oracleは、手続きがクラウド市場のリーダーであるAWSを優遇するよう仕組まれていたと訴えていた。

なお、問題になっている担当者が元AWS社員だったことは注目に値するだろう。AWSは裁判に被告として加わり、判決申請の際に「Oracleの訴状は具体的にAWSに関わる利益相反であると申し立てている。このためAWSには本裁判に関する直接的かつ重大な経済的利害関係があり、判決がこれらの利益を損なうことは明白である」と主張した。

本日の裁定によって、100億ドル契約の勝者が早ければ来月にも発表される見通しがたった。以前国防省は、この勝者総取り入札の最終選考対象としてMicrosoftおよびAmazonを選んだことを発表した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

国防省、自動車を遠方から停止させるマイクロウェーブ兵器を開発中――自動車テロの抑制に期待

自動車がテロに使われる例は増え続けている。しかしアメリカ国防省が開発している自動車その他のエンジンをリモートで停止させるテクノロジーが実用化されれば多くの人命が救われることになるかもしれない。ペンタゴンのJNLWD(合同非致死性兵器開発)プログラムでは電波エンジンストッパーを開発中だ。これはDefense One の記事によれば、車両等を利用した民間人をターゲットとしたテロを防止することを目的としている。

車両を利用したテロなどの暴力行為や違法行為(たとえば許可を得ない車両がセキュリティー・ゲートを突破しようとするなど)を防止するため、JNLWDでは強力なマイクロウェーブを車両に照射し、エンジンをコントロールしている電子装置を無効化することで車両を停止させようと試みている。下のビデオでこのテクノロジーの実験を見ることができる。

Defense Oneによれば、 JNLWDは2つのバージョンを開発中だ。一つは有効距離が50メートルと短いがトラックの荷台に搭載できる程度の小型版で、もうひとつは有効距離100メール以上の大型据え置きタイプだ。この装置は繁華街やショッピングセンターなど人々が密集する公共スペースを自動車を利用したテロ行為から防衛するのに役立つと期待されている。

電波兵器は以前から開発されてきたが、電力消費量が膨大なことで知られており、マイクロウェーブをきわめて細いビームに収束させるテクノロジーにおけるブレークスルーのおかげでこれらの装置が可能になったという。

自動車を利用したテロはアフガニスタンやイラクなどの紛争地域以外ではほとんど発生していなかったが、最近では都市の中心部や観光客の集まるスポットなどが狙われる例が目立っている。先週はカナダのトロントで車両によるテロで10人が殺害されるという事件が起きた。

この例でも分かるように、自動車テロは実行が容易で不意を打たれた歩行者に多大の被害をもたらす。車両停止装置のようなデバイスが必要とされる事態は不幸だが、こうした電波エンジン・ストッパーが実用化されれば車両テロの抑制に効果があるはずだ。攻撃があったときすばやく遠方から車両を非致死的に停止させることができれば犠牲者の数を抑えるだけでなく、警察が犯人を無傷で逮捕し、情報を得るためにも役立つだろう。(トップ写真はニューヨークで起きた車両テロのもの)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+