Breakthrough Energy Venturesは、ジェフ・ベゾス氏、ビル・ゲイツ氏、ジャック・マー氏らの億万長者が出資した投資会社で、社会を脱炭素化するテクノロジーを開発する企業に投資している。このほど同社は、地熱プロジェクト開発会社のBaseload Capitalに1250万ドル(約14億円)を投資した。
Baseload Capitalは、スウェーデンの親会社 Climeonが開発した技術を利用した地熱発電所を開発するための資金を提供するプロジェクト投資会社だ。
Googleの親会社であるAlphabet(アルファベット)からのスピンオフで最近の調達ラウンドで1600万ドル(約18億円)を集めたDandelion Energyと同じく、Climeonは地熱エネルギーを利用するための標準化された機械を作っている。しかしDandelionが消費者をターゲットにホームヒーティングを提供しているのに対して、Climeonは地熱エネルギーを電気に変換する。
同社のモジュールはおよそ2メートル立方の機械で、150キロワットの電力を供給する能力を持つ。これはヨーロッパの約250世帯を賄うのに十分だと同社の広報担当者は言っていた。
2011年創立のClimeonは、自社技術を利用した発電所を作るための特別目的事業体としておよそ1年前にBaseload Capitalを設立した。Baseloadは、出資先企業から株式を譲り受けることと引き換えに負債金融を行う。
Breakthrough Energy Ventures はBaseload Capitalへの投資を通じて、全世界の小規模発電所の開発資金提供を支援している(すでにBaseloadは、日本で開発中のプロジェクトに向けに特別目的事業体を結成した)。
ClimeonとBaseload Capitalは3つの主要産業に焦点を当てている。地熱、流通、および重工業だ。「われわれは海運業者に機械を販売してエンジンの廃熱を電気に変えているほか、おなじく大量の廃熱を出す鉄鋼業、さらには地熱発電所を開発、運用する企業にも販売している」とClimeonの広報担当者がメールに書いた。「対象は新たに設立されたSPVでも、既存のエネルギー会社でもよい。たとえば米国では、既存の地熱発電所でわれわれのモジュールが使用されている」
同社の説明によると、そのモジュラーユニットを使うと施設のスケールアップや廃止が容易になるという。モジュールの価格は35万ユーロ(約4450万円)で、ほかにClimeonの発電所管理ソフトウェア利用料としてモジュール毎に年間5000ユーロ(約64万円)を支払う。
現在約8800万ドル(約98億5000万円)の受注残高があると同社は言っている。
Baseload Capitalへの投資は、Breakthrough Energyにとって地熱業界への2番目の取組みとなる。昨年同社はFervo Energyに投資し、既存技術を利用して1キロワット時5~7セントのコストで生成する地熱発電所の開発促進を支援した。
「低音地熱電力のようなベースロード資源はエネルギー情勢を変えるものだと確信している。Baseload Capitalは、Climeonの革新的技術とともに、温室効果ガスのない電気を大規模かつ経済的、効率的に生み出す潜在能力をもっている」とBreakthrough Energy VenturesのCarmichael Robertsが声明で述べた。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )