TechCrunch Tokyo 2017卒業生で、音声放送プラットフォーム「Voicy」を運営するVoicyは1月9日、日本経済新聞社(以下、日経新聞)との業務提携を発表した。これにより、今後両社は共同で新サービスの開発に取り組む。
2016年9月にリリースしたVoicyは、「声のブログ」として注目を集める音声メディアだ。インフルエンサーなどが「パーソナリティ」としてラジオのようにアプリに声を吹き込み、それをコンテンツとして公開する。内容としては、日々の生活を日記のように話すものから、僕たちTechCrunch Japanのような活字メディアの記事をサマリーして配信するものまで様々だ。
Voicyはこれまでにも毎日新聞などからコンテンツ提供を受けるなどしていたが、今回の日経新聞との提携では、単なるコンテンツ提供以上のものを準備しているとVoicy代表取締役の緒方憲太郎氏は話す。同氏は共同サービスの具体的な内容については明かさなかったものの、Voicyはプレスリリースの中で、新たなメディアサービスの開発、およびVoicyがもつコミュニティやパーソナリティと連携した新サービスの開発を進めるとしている。
米著名キャピタリストのMarc Andreessenは自身が運営するポッドキャストのなかで、(音声というフォーマットは「とてつもなく重要なもの」になると表現した。ポッドキャストの流行から長い時間を経て、スマートスピーカーの普及により「音声の価値」がもう一度見直される時期にきているように思う。そして、そのトレンドは遅かれ早かれ日本にも上陸することだろう。
そんななかVoicyは、“新聞業界の本丸”とも言える日経新聞との業務提携により「従来テキストや画像を中心とした『目からの情報摂取』に加え、音声による『耳からの情報摂取』を融合したサービスを実現」するとコメントし、音声フォーマット時代の新しいコンテンツ消費のあり方を模索していく構えだ。