マクドナルドが植物由来肉を独自開発する「McPlant」を準備中

USA Todayによると、McDonald’s(マクドナルド)は「McPlant」という植物性プラットフォームを開発中で、2021年前半に世界中の市場に提供する予定だという。

マクドナルドは投資家会議でMcPlant独自の製法に取り組んできたことを公表した。マクドナルドの国際部門プレジデントであるIan Borden(イアン・ボーデン)氏が投資家会議で「McPlantはマクドナルドによって、マクドナルドのためだけに作られる」と述べたとUSA Todayは報じている。

ボーデン氏によれば、同社の独自製法はバーガー、代替チキン、朝食のサンドイッチなど植物性製品全般に広がる可能性があるという。

これまでマクドナルドは、植物性のバーガーやチキンに関する企業間競争に、少なくとも米国では遅れをとってきた。

ドイツ、英国、香港、イスラエル、カナダ、フィンランドなどでは、黄色のMの看板を掲げる店舗にはベジタリアン向けサンドイッチがある。

実際、カナダのマクドナルドは2019年にBeyond Meatとの連携でPLTサンドイッチの試験販売をしていた(マクドナルドに以前あったMcDLTサンドイッチのプレーオフだろう)。

米国内の他のファストフードチェーンと比較すると、マクドナルドの動きは遅かった。バーガーキングはImpossible Foodsの協力を得てImpossible Whopperを発売した。Beyond Meatはケンタッキーフライドチキンと組んで植物性ナゲットを提供している。

代替タンパク質の主要メーカーであるImpossible FoodsとBeyond Meatは、これまでファストフード市場を順調に切り開いてきた。しかしマクドナルドが独自製法で参入すれば、両社にとって(そしてマクドナルド帝国に食い込もうとしていた他のスタートアップにとっても)打撃となるはずだ。

チリのNot Companyや香港のGreen Monday Holdingsの両スタートアップは、マクドナルドの植物性パティ事業を狙って争っていた。

カテゴリー:フードテック
タグ:McDonald代替肉

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

マクドナルドが植物由来肉のハンバーガーをカナダで試験販売

マクドナルドの北米初となる植物ベースのパティの販売が現地時間9月30日にカナダで始まった。

Beyond Meatのパティを使った「P.L.T.」(Plant、Lettuce、Tomato)ハンバーガーが、カナダのいくつかの店舗で展開されている。マクドナルドが今年新たにベジタリアンハンバーガーを展開するのはこれが初めてではない。4月、同社はドイツのフランチャイズ店でビーガンハンバーガーを発売した。

マクドナルドはここ数年、ベジタリアンとビーガンのハンバーガーを単発的に国際展開メニューに載せてきた。2年前、McVegan(マックビーガン)バーガーをフィンランドとスウェーデンで発売するにあたり、Orklaというノルウェーの食品企業と提携を結んだ。

そして今回の北米での展開では、米国店舗メニューへのベジタリアン・ハンバーガー追加に向けて歩を進めたことになる。世界最大のファーストフードレストランとして、マクドナルドがBeyond Meatの植物ベースのタンパク質を含んだプロダクトを導入する動きは、同社にとって大きな後押しとなりそうだ。

今や世界最大の食品会社が自前の肉代替プロダクトを立ち上げようとしている。マクドナルドのドイツでのビーガン・バーガーの展開にあたってパートナーとなったNestle(ネッスル)はSweet Earth Foodsのチームが手がけたプロダクトを使用している。

Nestleは、植物由来肉マーケットに参入しようとカリフォルニア拠点のMoss Landing(モス・ランディング)を2017年に買収した。当時、Moss Landingは植物ベースのパティに取り組み始めたところだった。

Tyson(タイソン)のような大手食品企業はすでにタンパク質ベースの肉代替品を展開しているが、その一方でMcCain Foods(マケイン・フーズ)のような加工調理済み食品の企業はNuggs(ナッグス)に投資してきた。

マクドナルドがBeyond Meatの製品での北米デビューを決断したという事実は、最大のレストランチェーンへのサプライヤーマーケットはいまだに競争が展開されているということを示している。

実際、メジャーなファーストフード・バーガーチェーンは肉代替パティ供給が懸念されるためにベンダーと地域を限定した戦略を取り始めているようだ。

たとえば、Burger King(バーガーキング)はImpossible Whopper(インポッシブル・ワッパー)にImpossible Foods(インポッシブル・フーズ)のパティを使用しているが、情報筋によるとバーガーキングは南米で植物ベースのプロダクト用の地域サプライヤーを探しているようだ。

そして、こうしたパイロットテストが展開されても、ファーストフードチェーンが植物ベースのプロダクトをメニューに載せ続けることにはならないというのは重要な点だ。Beyond Meatは、カナダ28店舗でのマクドナルドのパイロットを勝ち取った一方で、カナダの大手ファーストフードチェーンTim Hortons(ティム・ホートンズ)のメニューから外された。

Beyond Meatは最も競い合っているライバルのImpossible Foodsよりも幅広い植物ベースプロダクトを提供していて、牛ひき肉の代替品に引き続き専念している。カリフォルニア拠点のEl Segundo(エル・セグンド)は植物ベースのチキンナゲットでKFC(ケンタッキー・フライド・チキン)のパイロットの提携を結んだ。またDunkin(ダンキン)のようなその他多くのファーストフードチェーンがEl Segundo(セグンド)のブレックファーストソーセージを販売している。

こうした競争は、ファーストフード以外にも広がっている。Sodexo(ソデクソ)や企業やカレッジ、大学にケータリングしている企業のような食品サービスベンダー大手も、タンパク質代替品のサプライヤーを取り込もうとしている。

一方で、プロテイン代替品の需要はうなぎ登りだ。この手のプロダクトのマーケットが今後10年間で従来の肉産業のかなりの割合を取り込む、と金融アナリストは予想している。

バークレイズ銀行のアナリストはタンパク質代替品のマーケットは2029年までに1400億ドル(約15兆円)に達する、と予測する。

「今回のテストで、P.L.Tのどんなところがいいのか、フィードバックを聞くのが楽しみだ。これは、顧客にとって何が一番いいのか、グローバルマーケットをより理解するのに役立つ」とマクドナルドのグローバルメニュー戦略担当副社長のAnn Wahlgren(アン・ヴァールグレーン)氏は話した。「顧客の需要、そしてレストラン運営へのインパクトなど、実社会におけるP.L.T提供がどのようなことになるのかを今回のテストでより深く知ることになる」。

イメージクレジット: McDonald’s

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(翻訳:Mizoguchi)