オープンソースによる総務省「住民記録システム標準仕様書」準拠のシステム開発が開始

オープンソースによる総務省「住民記録システム標準仕様書」準拠のシステム開発が開始

川口弘行合同会社(Hiro KAWAGUCHI Laboratory)は11月2日、総務省が2020年9月11日に公開した標準仕様(住民記録システム標準仕様書【第1.0 版】)に準拠する住民情報システムの開発に着手し、その成果をオープンソースとして公開する取り組みの開始を発表した。

同社は、この開発における基本コンセプトとして、「オープンソース」「既存製品の選択的活用」「疎結合アーキテクチャの採用」「コンテナなどを活用した柔軟な拡張性」「ハイブリッドクラウド対応によるセキュリティ・可用性・コストの両立」を掲示。期待される成果としては、以下3点を挙げている。

  • プログラムソースコードをオープンソースとすることで、自治体が主体的に開発事業者以外のシステム保守要員を確保できる
  • システム構築事業者選定の幅を広げ、自治体が健全な競争環境の下で投資対効果の高いシステムを調達できる
  • ソフトウェアに対する透明性を高め、自治体が安心してシステムを運用できる

自治体の情報システムは、これまで各自治体が独自に構築してきた結果、その維持管理や制度改正対応などについても各自治体が個別に対応しており、人的・財政的負担が生じているとされる。

一方、自治体の人口構造が変化する中で、住民サービスを維持・向上させるには、これらの負担を軽減する必要がある。そうした問題意識から、自治体システムを標準化・共同化し、これらの負担を軽減させる取組みが求められている。

そのような中、総務省は共同化を促す取組みのひとつとして住民記録システム標準仕様書を策定し、2020年9月11日に公表した。

しかし、今後各社からリリースされる住民記録システムがこの標準仕様書に準拠していることを客観的に検証する手段が存在しない。

さらに、この標準仕様書が「標準」であるなら、前提となる知見を持たない開発者でもこの仕様書で実装可能であることを検証できる必要がある。

同時に、特定少数のシステム開発事業者による寡占を抑止するためにも必要となることから、同社は、標準仕様書を忠実に参照し実装する取組みは意義があるものと考えているという。また、この取り組みによる成果は広く自治体に還元していくとしている。

2017年12月設立の川口弘行合同会社(​Hiro KAWAGUCHI Laboratory)は、電子政府・電子自治体のスペシャリストとして全国の自治体(都道府県・区市町村)の支援を行う企業。支援対象分野は、情報化計画立案、調達支援、セキュリティ対策などのコンサルティング業務、情報技術を用いた新たな行政サービスの立ち上げなどのシステムインテグレート業務を実施。

自治体向けファイル無害化ソフトウェア「サニタイザー」は、財政的に厳しい状況下にある自治体を中心に全国で100団体以上の自治体で採用されているという。

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総務省による第二期政府共通プラットフォームがAWS上で運用開始、行政サービスのDX加速

総務省による第二期政府共通プラットフォームがAWS上で運用開始、行政サービスのDX加速

アマゾン ウェブ サービス ジャパンは10月8日、総務省による第二期政府共通プラットフォームがアマゾン ウェブ サービス(AWS)上で運用開始されたと発表した。

政府は、業界をけん引するクラウドサービスの活用を通じて、情報システムを新技術へ対応させると同時に、各府省が独自に整備・運用する情報システムとデータのさらなる統合・集約によりITガバナンスを強化し、管理の一元化、セキュリティの強化、運用コストの削減を実現する。

政府共通プラットフォームは、運用コストの削減やセキュリティ強化などを目的に、2013年3月に第一期の運用を開始。2018年には効率性や可用性向上を目的に、政府情報システムの整備においてクラウドサービスの利用を第一候補とする原則を定めた「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」(クラウド・バイ・デフォルト原則)の発表を受けて、総務省は第二期政府共通プラットフォームの整備においてクラウド活用を優先しており、今回デジタル・ガバメントの実現を支える新たな取り組みをAWS上で開始した(「政府共通的な情報システムの整備」)。

総務省による第二期政府共通プラットフォームがAWS上で運用開始、行政サービスのDX加速

第二期政府共通プラットフォームでは、政府情報システムとデータをAWS上で統合・集約することで、オンプレミス環境の管理に伴う複雑さと高コスト、また、新たなプロジェクトの推進に当たってのベンダー依存も減少できるようになる。また、AWSを政府共通プラットフォームの基盤として活用することで、各府省は情報システムを新技術へ対応させるとともに、イノベーションを加速することで、迅速にデジタル化された行政サービスを提供することが可能としている。

AWSのクラウドインフラストラクチャは、日本の「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準」で定められたITガバナンス基準を含む、世界で最も厳格なセキュリティ要件を満たすよう設計。各府省はセキュリティにおけるベストプラクティスやツールを含むAWSサービスを活用して、情報システムとデータのセキュリティをさらに強化できるようになる。

さらに、AWSは異なる大陸プレート上に互いに約400km離れたふたつのリージョンを提供。そのため、AWS顧客は日本国内にある複数リージョンを活用した情報システム設計を通じて高い可用性を確保し、耐障害性と事業継続性をさらに高めるとともに、日本全国のエンドユーザーにこれまで以上に低遅延で行政サービスを提供可能としている。

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タグ: Amazon Web Services / AWS総務省政府共通プラットフォーム日本

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