フランスのスタートアップUpflowを紹介しよう。未回収の請求書の処理を手助けしてくれる企業だ。同社は最初eFounders(フランスのインキュベーター)でスタートを切った。もしあなたが中小企業を経営しているなら、売掛金の処理に大量の時間か、多額のコストを消費している可能性が高い。
ほとんどの企業は、現在請求書を、Excelスプレッドシート、旧式の銀行インターフェース、そして本来不要な会話を使って管理している。誰かが取引にサインするたびに、請求書を生成し、どこかのスプレッドシートの中に記録するのだ。
素直に数日後に支払ってくれる企業もある。しかし現実を見つめよう。支払期限を過ぎた請求書の支払いについて考え始めるのでさえ、30日、40日、あるいはそれ以上かかる会社がとても多いのだ。あなたは電子メールを送信し、顧客に電話をかけ、ただ集金するためだけのために、膨大な時間を無駄にすることになる。すでに契約書にサインしていたとしても、お金を請求することに後ろめたさを感じることさえあるかもしれない。
フランスでは、ほとんどの企業が請求書に対する支払いに、銀行振り込みを利用している。しかし、ビジネスバンキングのためのAPIはまだ提供されていない。すなわち、誰かが支払いを行ったかどうかをチェックするために毎日ウェブサイトにログインしなければならないということだ。そして、Excelスプレッドシートのボックスにチェックを入れることができる。
もしここまで述べたことに心当たりがあるなら、Upflowはそんなあなたのために、代わって請求書を管理してくれる会社だ。あなたの銀行口座を置き換えるものではないし、あなたに代わって請求書を発行してくれるわけでもない。既存のワークフローとシームレスに統合されるのだ。
申し込みを行ったあと、あなたは顧客へ請求書を送ると同時に、UpflowにそのメールをCC(コピー送信)することができる。UpflowはOCRを使用して、顧客名、金額、支払期限などの関連するデータを自動的に検出する。
Upflowのインターフェースを介して、未処理の請求書をすべて閲覧し、現状を確認することができる。このサービスが提供するのは、集金するために実行可能なタスクの一覧だ。例えば、Upflowは支払い期日が過ぎているかどうかを知らせ、顧客に再度連絡するようあなたに促す。
顧客に応じて異なるルールを設定することができる。たとえば、小さな顧客がたくさんある場合、それらのメッセージの一部を自動化することができる。しかし、ほんの一握りの顧客を相手にしている場合には、Upflowがメッセージを送る前に、誰かが内容をレビューしたいかもしれない。
デフォルトでは、他のチームメンバーが何が起こっているかを知ることができるように、Upflow上で電子メールを書くことになる。顧客ごとの請求書をレビューして、未払いの請求書を複数ためている顧客がいないかどうかを調べることもできる。またUpflowを使用することで、この特定の顧客と親しいチームメンバーにアクションを割り当てることができる。
しかし、こうしたことは皆、製品の一部に過ぎない。Upflowはまた、Treezorの助けを借りて、銀行情報も生成することができる。これを使って、あなたのUpflow銀行情報を請求書に記載することができる。
顧客が支払いを行うと、Upflowは自動的に請求書と入金と照合する。この機能だけで、時間を大幅に節約することができる。スタートアップは毎日あなたの会社の銀行口座に送金を行う。
Upflowの共同創業者でCEOのAlexandre Louisyが、私たちが会った際に描いてくれたのが以下の図だ。おそらく私の説明を読んだ後に見たほうが理解しやすいだろう。
言い換えれば、Upflowは、あなたの会社のバックオフィスと顧客の間に置かれたゲートウェイを生み出したのだ。究極的には、Upflowがあなたの会社の多くのことを学ぶにつれて、このゲートウェイ上に構築されるより多くのサービスを想像することができるだろう。
Louisyによれば、中小企業には本当にこの種の製品が必要であるという。そうした企業たちは必ずしもハイテク企業である必要はない。そうした会社は、銀行口座に大金を保持しているわけではなく、スタッフの数も多くはなく、可能な限り時間を節約する必要があるのだ。
さあ、これまで何十年間も行われてきた家族経営ビジネスに、SaaS(software-as-a-service)ソリューションを簡単に売り込めるか否かに、着目することにしよう。
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(翻訳:sako)