米国ニューハンプシャー州の裁判所は2人が殺害された事件に関し、Echoスピーカーの録音2日分を提出するようAmazonに命じた。
検察側は、2017年1月に女性2人が殺害された同州ファーミントンの家にあったAmazonのEchoスピーカーによる録音が、さらなる殺人の証拠となる可能性があると考えている。しかしながら警察が現場検証時にEchoを確かめたときは、Amazonのサーバーには何も録音が残されていなかった。
TechCrunchが入手した捜索令状には、Echoが“襲撃、そして襲撃の前後をとらえた音声”を拾っていると思わせる“相当の理由がある”としている。
Amazonはまた「事件当時、スマートスピーカーに接続した通信機器を特定する情報」も提出するよう命じられている。
同州ドーバー近くに住むTimothy Verrillは2つの第1級殺人罪で起訴された。彼は無罪を主張し、控訴している。
我々がAmazonに見解を求めたとき、広報はコメントしなかったーしかし先週Associated Pressに語ったところでは、“有効かつ拘束力を有する法的要求なしには”情報は出さない、としている。
ニューハンプシャー州は裁判所の記録をインターネットで公開していないので、判事Steven Houranの署名が入った11月5日付の令状にAmazonが応じたのかは明らかではない。
警察の捜査を裏付けるものになるかもしれないと、Amazonが検察に録音データの提出を命じられるのは今回が初めてではない。
3年前、アーカンソー州の男が殺人で告発された。検察は、死体が見つかった家にあったEchoのデータを提出するようAmazonに要請した。Amazonは当初、憲法修正第一条をもとにデータ提出を拒否したーしかし最終的に同意し、提出した。警察や検察は通常、Echoの録音に多くの証拠があるとは期待していない。というのも、Echoスピーカーはウェイクワードー通常、音声アシスタントの名前である“Alexa”ーで起動するからだ。しかし時々、意図せずに拾った録音の断片が、犯罪現場で起こったことを立証するのに役立つこともある。
しかし、これら2つの事件は、Echoデータに関してAmazonが受け取った提出要請のほんの一部にすぎない。Amazonは政府機関から受けたデータ開示要請の件数を記した透明性レポートを年2回公表しているが、Echoデータに関する開示要請が何件あったのか詳細は明らかにしておらず、その開示を拒否している。
多くの場合、Echo音声データの開示要請は裁判所の命令でのみ明らかになる。
実際、TechCrunchがスマートホーム商品を展開している主な企業に尋ねたところ、開示要請の状況を公開していたのは1社のみで、他の多くは公開する予定はないとした。これは、こうした企業が増加する開示要請からコンシューマーのプライベート情報をいかに守っているのかという点をうやむやにしていることを意味する。
Verrill容疑者のケースでは、Amazonがどのように対応するのかーあるいは拒否するのかーが注目される。
イメージクレジット: TechCrunch
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(翻訳:Mizoguchi)