SnapのスマートグラスであるSpectaclesの最新バージョンでは、すでに没入感のあるフィルターエフェクトで周りを見ることができる3D機能が搭載されているが、同社は主力の写真共有アプリのSnapchatでもレベルアップを図っている。同社は米国時間9月17日、新しい3Dカメラモードを発表した。このモードではユーザーがスマホを傾けると写真が動くという、ジオラマのような深みのあるエフェクトを写真に持たせてシェアできる。
3Dカメラモードは本日から、iPhone Xよりも上位の端末に限定して最新のSnapchatアプリで利用可能になる。新機能にはアプリ右側のドロップダウンメニューからカメラモードを選べばアクセスできる。エフェクト付きの写真自体は、iPhone Xより下位の機種やAndroidなど他のスマホでも閲覧できる(作成はできない)。
3Dカメラモードの導入に伴い、当然のことながら新たな3Dエフェクト、レンズ、フィルターのライブラリーが用意された。作成が終わった写真はカメラロールに保存してSnapchat以外での使用も可能だ。
3Dの導入はFacebook、特にInstagramとの間で長らく展開されてきた機能争いにおいて、Snapchatの最新の対抗策となる。TechCrunchではこれまで、Snapchatがいかにアプリ上での写真アートにおける新たなコンセプトを主導してきたか、その経緯を取り上げてきた。その新コンセプトとは、時間限定で消える写真、Snapやビデオの物語をつくるレンズやフィルター、ストーリーズといったものだ。これらに似たような機能をInstagramは(そして比較的少ないがFacebook本体でも)後追いしてきた。
機能の模倣という状況は、Snapchatにとって特に厳しいものだ。Snapchatはまだユーザー数という点においてInstagramを追う立場で、InstagramがStoriesを導入した後では成長はかなり落ち込んだ。直近ではSnapchatのデイリーアクティブユーザー(DAU)は2億300万人と発表しているが、一方のInstagramのDAUは5億人超とのことだ。
ただ、レンズや写真のエフェクトはまだ改良の余地はある。少なからず、Snapchatのデーリーユーザーの70%がレンズ機能を使って写真に手を加えている。この機能は使い出すと止まらなくなり、ひいてはSnapchatの利用を促す。なのでSnapchatが目新しい機能を出し続けることは(たとえコピーされても)褒めるべきことなのだ。
消費者の好みに目を向けると、最近開発競争は激しくモデルは様変わりしそうだ。特に音楽をベースとした人気のTikTokアプリの興隆がいかにSnapchatとInstagramの機能に影響を及ぼすことになるのかは注目に値するだろう。
にもかかわらず、皮肉にも3DにおいてはFacebookが2018年10月にAIベースの3Dイメージを立ち上げて先行した。これまでのところ、その機能をInstagramには広げていない。しかし、Snapchatの今回の新機能を受け、Instagramに3Dが登場しても驚きではない。
はっきりとさせておくと、3D機能はiPhone Xまたはそれより上位のモデルに頼っている。というのも、iPhone Xのフロントのレンズで収集される画像と深度データを使って画像が作られるからで、結果としてその他のモデルでは利用できない。
一方で同じ機能がAndroidアプリに登場しないことをいぶかしがる人もいるだろう。iPhoneの上位機種のように、深度データや他の画像データをとらえることができるハイエンドなAndroidデバイスはかなり展開されている。
SnapchatはAndroidとはちょっとした因縁がある。モバイルアプリ全体の中でも人気のあるSnapchatだが、あるときSnapchatはAndroidアプリがあまりにも速度が遅くてバグも多く、ユーザーの足かせになっていたためにAndroidアプリを再設計しなければならなかった。その際に離れてしまったユーザーを最終的にはいくらか取り戻したようだが、ユーザーの大半はSnapchatに新機能を導入するときにSnapが優先するiOSを利用している。Snapが今回の機能をAndroidにも導入するのにどれくらい時間がかかるのか見ものではある(実際、Snapに尋ねている)。
画像クレジット: Snap
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(翻訳:Mizoguchi)