Adobe(アドビ)が、拡張現実(AR)に真剣に取り組んでいることは、よく知られている。ARデベロッパーのための優れたデザインツール開発するための、十分なポテンシャルを備えていることも間違いない。昨年のMaxイベントで、同社はAero ARというオーサリングアプリを初めて披露した。そして米国時間の11月4日、そのアプリをリリースした。iOS版は無料アプリ、デスクトップ版は今のところプライベートベータとなっている。
Aeroの基本的な方針は、デザイナーがプログラムを書くことなくAR体験を開発できるようにすること。ビジュアルなUIによって、ARシーンを構築する手順を1ステップずつ指示してくれる。また、ユーザーのCreative Cloudライブラリから、2Dや3Dのアセットを取り込むことができる。完成したシーンをエクスポートするのも数ステップで済んでしまう。
「ARは、マーケティングやブランディング、小売や商取引全般、旅行やレジャー、学習や芸術など、あらゆる業界に広がっています。しかしながら、現状では、高品質のARコンテンツの作成は、多大な費用、長大な時間がかかる複雑な作業となっています。私たちのビジョンは、このプロセスを変革し、すべてのデザイナーが、3DとARの可能性を探求できるようにすることです」。
iOS版のアプリを使えば、基本的なAR体験を作成できるが、ARデザインツールとしてのフル機能を利用するには、デスクトップ版のアプリが必要となる。アドビによれば、デスクトップ版を使うことで、対話的なインターフェースを使って、カスタムな体験を設計できるという。
私が見たデモでは、もちろんAeroはかなり使いやすそうだった。たとえば、レイヤーを含むPhotoshopファイルを背景として取り込み、必要に応じてレイヤーの間隔を空けるように配置して、3Dっぽいシーンにすることも簡単にできる。オブジェクトの操作は、メニューなどを使わずに、タッチ操作だけで可能だ。基本的なアニメーションを追加したり、動きのトリガーを設定することもできる。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)