ボストンに拠点を置くセキュリティ運用会社のRapid 7はクラウドへの進出を行っており、米国時間2月1日の朝、ワークロードやサービスのコンテナ化を管理するプラットフォームであるKubernetes分野のセキュリティスタートアップAlcideを5000万ドル(約52億5000万円)で買収したと発表した。
世界がKubernetesを使ったクラウドネイティブに移行していく中で、コンテナを安全に保つために正しく設定しておくことが難しくなっている。Kubernetesはコンテナの管理を自動化するように設計されていることから、人力を作業ルーチンから除外し、自動化された方法でセキュリティプロトコルを適用することがさらに重要になっている。
Rapid7のクラウドセキュリティ担当SVPを務めるBrian Johnson(ブライアン・ジョンソン)氏は、その目的には特化した種類のセキュリティ製品が必要であり、それがAlcideを買収する理由だと述べている。「クラウドを運用している企業は、リアルタイムでリスクを特定して対応できる必要があり、クラウドインフラやコンテナを個別に見るだけでは、どこに脆弱性があるのかを真に理解するのに十分なコンテキストを提供できません」とジョンソン氏は説明している。
「Alcideを追加することで、企業はクラウドインフラストラクチャおよびクラウドネイティブアプリケーションの全体について、包括的で統一された可視性を得ることができます。これにより、企業は安全性を維持しながら迅速な革新を継続できるようになります。」
今回の買収は、2020年4月に1億4500万ドル(約150億円)でDivvyCloudを買収したことに関連している。2社の買収価格は合計でほぼ2億ドル(約210億円)に相当し、Rapid7がクラウドのワークロードの保護を幅広く広く支援することを可能にしている。
これはまた、大企業が人材やテクノロジーを買収してコンテナのセキュリティの強化を図る中で、2020年に数多くのKubernetesセキュリティスタートアップが誕生したという業界のトレンドの一部でもある。これにはVMWareによる2020年5月のOctarine買収、Cisco(シスコ)による10月のPortShift買収したこと、RedHatの2021年1月のStackRox買収などが含まれる。
Alcideは2016年にテルアビブで設立され、イスラエルの活発なセキュリティスタートアップシーンの一部となっている。Crunchbaseのデータによると、同社はこれまでに約1200万ドル(約12億6000万円)を調達している。
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(文:Ron Miller、翻訳:塚本直樹 / Twitter)