中国で注目が集まるオンライン医療、AlibabaとJD.comのヘルスケア部門を比較する

中国テクノロジー業界の注目はオンライン医療へと転換し始めている。今週、JD Health(JDヘルス)は香港で2020年最大(Reuters記事)となるIPOの登録申請を行った(JD Healthリリース)。

Amazon(アマゾン)と同じく、中国の2大eコマース企業であるAlibab(アリババ)とJD.comは、巨大な医療業界を征服するための努力を続けている。提供するサービスは医薬品の深夜配達、美容整形などの消費者向け医療サービス、患者のオンライン診断から病院向けデジタルソリューション(予約管理など)、薬品メーカーの広告サービスまで多岐にわたる。

Alibaba Healthはeコマース企業である親会社の投資ポートフォリオとしてスタートを切り、ここ数年の一連の事業統合を経て子会社(Alibaba Groupリリース)へと成長した。一方のJD Healthは、2019年にJD.comからスピンオフしたあと、次々と大型出資を獲得した

ヘルスケア分野への進出は、巨人たちが目指すあらゆる商品のワンストップショップに向けての一歩だ。二大デジタル医療巨人を数字で比較する。

売上

収入源は両社とも医薬品(市販薬と処方薬の両方)およびビタミンサプリメントなどのヘルスケア製品の販売が大半を占めている。いずれも医薬品の消費者向け直接販売事業を有しており、サプライチェーン経由を主としながらもサードパーティー向けマーケットプレイスの機能も果たし、手数料の徴収によって収益化している。それぞれ、消費者、病院、および医薬品メーカーをターゲットにした小規模だが成長しているサービスセグメントを持つ。

Alibaba Health — 70億人民元(約1114億9000万円、9月末までの6カ月間)

JD Health — 88億人民元(約1401億2000万円、6月末までの6カ月間)

収益性

2020年、Alibaba Healthは初の黒字転換を果たし、9月期中間決算で2億7860万人民元(約44億3000万円)の利益を上げて、前年同時期の損失760万人民元(約1億2000万円)から大きく成長した。

JD Healthは6月までの半年間に54億人民元(約860億2000万円)の損失を計上、2019年の同時期は2億3630万人民元(約37億6000万円)の利益を上げていた。損失の主な原因は転換優先株追加発行後の公正価値の変化による。

アクティブユーザー

Alibaba Healthは生み出した売上は少ないがユーザー基盤は大きく、これはAlibabaの壮大なエコシステムのおかげだ。6月決算の1年間に、2億5000万ユーザーがAlibabaの企業・消費者間マーケットプレイスであるTmallのオンライン薬局を通じて購入した。Alibaba Healthの消費者直接薬局のアクティブユーザーは6500万人だった。

それに対して、JD Healthのプラットフォームで2019年1回以上購入したユーザーは7250万人だった。

医師ネットワーク

2社ともにオンライン健康相談サービスを提供しており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延によって需要が急増した。Alibaba Healthは9月時点で3万9000人以上の医師からなるネットワークを有していたのに対して、JD Healthは社内および第三者の医師6万5000人とつながっている。

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カテゴリー:ヘルステック
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画像クレジット:JD.com

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook