データ分析会社のAlteryxが機械学習アルゴリズムの実装を加速するFeature Labsを買収

上場データ分析企業のAlteryxは、2018年にMIT出身者によって設立された機械学習のスタートアップFeature Labs(フィーチャーラボ)を買収したことを発表した。同社は契約の条件を明らかにしていない。

Feature Labsの共同創業者でCEOのマックス・カンター(Max Kanter)氏は、その創業時にTechCrunchに対して、同社はMITでの研究に基いていると語っている。その研究とは機械学習アルゴリズムの作成の自動化を追求するものだ。「Feature Labsは、ドメイン知識を使って生のデータから機械学習アルゴリズムを動作させるための新しい変数を抽出する、フィーチャーエンジニアリングプロセスを自動化するという点で、ユニークな存在です」とカンター氏は2018年にTechCrunchに語っていた

Alteryxにアピールしたのはまさにこの機能だ。「データサイエンティストとビジネスアナリストの両者が容易に洞察を得て、ビジネスを推進する要因を理解することを助けるという、Feature Labsのビジョンが、AlteryxのDNAとマッチしたのです」と声明の中で語るのは、Alteryxの共同創業者でCEOのDean Stoecker(ディーン・ストーカー)氏だ。同社が2017年に別の機械学習スタートアップYhatを買収し、そのテクノロジーに基づいてその年の後半に、新機能Alteryx Promoteを開始したことにも注目しておく価値がある。

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Feature Labs側は、今回の買収を発表したブログ投稿の中で、カンター氏とチーフデータサイエンティストのAlan Jacobson(アラン・ヤコブソン)氏は、会社の長期目標に適合しながら成長を促すことのできるパートナーを見つけたと書いている。カンター氏とヤコブソン氏はまた、現在のミッションがこの先も継続されることに対して、既存ユーザーを安心させようとしていた。「私たちはこの買収を利用して、オープンソースのデータサイエンスコミュニティと、ドメイン知識を使ってAIと機械学習技法を実装する複雑なプロセスをガイドしてくれる、コード不要のツールを渇望するビジネスアナリストたちの両者に対して、私たちのAIと機械学習の取り組みを拡大する予定です」と彼らは投稿の中で書いている。

Feature Labsは、データサイエンティスト向けのオープンソースライブラリを提供しており、同社によればそれらは35万回以上ダウンロードされている。Crunchbaseのデータによれば、同社はマサチューセッツ州ケンブリッジで2018年に設立され、300万ドル(約3億2000万円)を調達している。同社は引き続きケンブリッジに残り、市内に新しいAlteryxエンジニアリングハブを設立する予定だ。

Alteryxは2017年に、Iconiq Partners、Insight Venture Partners、Sapphire VenturesなどのVC企業たちから1億6000万ドル(約171億円)以上を調達し株式公開を行った。今回で計5回目、今年2回目の買収となる。

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(翻訳:sako)

データ分析のAlteryxが上場 ― 株価は約11%上昇

米国時間24日、データ分析のAlteryxがニューヨーク証券取引所に上場した。アメリカでは、これが今年3番目のIPOとなる。IPO時の公募価格は14ドルだったが、金曜日の株式市場では10.7%高の15.50ドルの終値をつけている。

Alteryxの顧客はAmazon、Ford、Coca-Colaなどの企業だ。同社はこれらの顧客にデータ分析ツールを提供し、プロダクトの改善やマーケットに存在する非効率性の発見の手助けをしている。CEOのDean Stoecker氏のによれば、同ツールのリテンション率は高く、それにより高い精度で収益を予測することが可能だという。

Stoeckher氏によれば、Alteryxは「インストールと使い方の学習が簡単なプラットフォーム」だ。また、彼らは「セールスオペレーションやマーケティング、HR分析」まで幅広い業種のさまざまな部署を顧客として獲得している。

昨年度のAlteryxの収益は8580万ドルで、当期純損失は2430万ドルだった。2015年度の収益は5380万ドル、最終損益は2150万ドルの損失となった。

2010年の創業以来、これまでに同社は少なくとも1億6300万ドルを調達している。出資比率はInsight Venturesが27%、Thomson Reutersが13.1%、Sapphire Venturesが13%となっている。その他にもToba CapitalやICONIQなども出資に加わっている。

カルフォルニア州アーバインを拠点とするAlteryxは、急成長を遂げているカリフォルニア南部のテックシーンの一翼を担う企業だ。先日上場したSnapの本拠地もカリフォルニア南部に位置するVeniceであり、今年上場した企業の2/3は南カリフォルニア出身の企業だということになる。

Alteryxに続き、ニューヨークのYextとサンフランシスコのOktaもすでに上場申請済みだ。彼らの株式市場デビュー戦の日は今後数週間の内に訪れるだろう。昨年は不調だったテック企業のIPOだが、今年は「上場の窓」が開いていることを多くの企業が望んでいるところだ。

Meritech Capitalでマネージングディレクターを務めるRob Ward氏によれば、同社がAlteryxへの出資を決めたのは、「データの消費と保管のあいだには巨大なチャンスが眠っていると考えたから」だという。彼らはAlteryxが「複雑なデータ・エコシステムへの解決策を求める何百万のデータドリブンな企業に向けて、セルフ分析ツールを提供するリーダー的企業となる」ことを望んでいる。

Stoecker氏によれば、同社は今回のIPOによってビジネスの国際展開を加速する構えだ。また、他社の買収も視野に入れているという。

「IPOはこれから始まる物語の序章でしかありません」と彼は語る。

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(翻訳: 木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter