AmazonはユーザーがTwitterを使ってAmazonのカートに商品を追加できる機能を発表した。
ユーザーがAmazonにTwitterのアカウントを登録すると、AmazonでのショッピングがTwitterとリンクする。Twitterのツイート中に表示されたAmazonの商品へのリンクに興味があったら、#AmazonCart (イギリスでは#AmazonBasket)というハッシュタグを加えてリツイートするだけでその商品がユーザーのカートに追加される。.
「いまカートに入れて、後で買う(Add it now, buy it later)」というのがAmazonが上のプロモビデオで使っているキャッチフレーズだ。
この機能はAmazonのショッピングの場をサードパーティーのサイトに広げ、購入にチャンスを広げるだけでなく、リツイートが得られるので、TwitterのユーザーがAmazonに商品へのリンクを含め、結果として商品のマーケティングを手伝わせることになるという狙いもあるだろう。
なお、TwitterでAmazonのカートに商品を追加するハッシュタグをリツイートした場合、Amazonは追加を確認したときにメールでそのことをユーザーに通知するという。
Twitterを商品販売のチャンネルに利用する試みはAmazonが初めてというわけではない。スタートアップのサービスとしては昨年6月にChirpifyが600万ドルのA資金調達を行い、ソーシャル・ショッピングの仕組みを開発している。これはソーシャル・メディアのユーザーがキーワード(Chirpifyではアクションタグと呼んでいる)を含めることによって購入やリンクの取得ができるというものだ。しかしAmazonはスケールが桁違いに巨大だし、影響は大きい。
商品購入のハードルを下げるというのは、1-クリック特許以来、執念ともいうべきAmazonの戦略的目標となっている。AmazonにとってPinterestやInstagramのようなソーシャルサイトがeコマースのハブになることは放置できない脅威と感じられたのだろう。
そこでAmazonはユーザーが商品を購入したことや評価などを報告し合うソーシャル・サービスに自ら進出することでこうしたソーシャル・ショッピングのハブ対抗を図ったわけだ。AmazonCart機能が成功すれば、TwitterがAmazonのショーウィンドウになってくれる。
「Twitterはわれわれの顧客が友だちやアーティスト、ブランドからの情報を受けて商品を発見するのにすばらしい環境だ。 #AmazonCartはTwitterのサイトを離れず、即座にAmazonのカートに商品を追加できる。ユーザーは後でAmazonサイトを訪問し、購入を完了する仕組みだ」とAmazonの広報担当者はTechCrunchにメールを送ってきた。
ただし、ショッピング・ハッシュタグが機能するためには商品の販売者が#AmazonCart機能を利用することをあらかじめAmazonに登録しておかねばならない。Amazonは現在何社がすでに登録を済ませたか明らかにしていないが、この機能は販売者が他のサイトでなくAmazonを選ぶインセンティブの一つにもなりそうだ。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)