ウェブサイトやアプリにビデオ機能を簡単に組み込めるようにするapi.videoが約5.9億円を調達

api.videoは、ウェブサイトやアプリにビデオを機能を簡単に追加できるようにする「開発者ファースト」のビデオプラットフォームだ。このapi.videoが、ロンドンのベンチャーキャピタルファームのBlossom Capital(未訳記事)が主導するシードラウンドで、550万ドル(約5億9000万円)を調達した。このラウンドには、Kima Venturesや多くのエンジェル投資家も参加した。

これまでには、OVH創業者のOctave Klaba(オクターブ・クラバ)氏、KelDoc創業者のEduardo Ronzano(エドゥアルド・ロンザノ)氏、Fotolia創業者のThibaud Elzière(ティボー・エルジエール)氏、Stupeflix創業者のNicolas Steegmann(ニコラス・スティーグマン)氏、Teads共同創業者のJulien Romanetto(ジュリアン・ロマネット)氏とFrédéric Montagnon(フレデリック・モンタニヨン)氏、Dataiku創業者のFlorian Douetteau(フロリアン・ドゥエトー)氏、VeepeeのMichaël Benabou(ミシェル・ベナブ)氏とDominique Romano(ドミニク・ロマーノ)氏が支援している。

2019年にapi.videoを創業したのは、ライブストリーミングとオンデマンドSaaSビデオプラットフォームのLibcastの創業者でCEOのCédric Montet(セドリック・モンテ)氏だ。api.videoは、最新のビデオ機能をウェブサイトやモバイルアプリに組み込む際に必要となる大変な作業を簡単にし、その結果として「業務ビデオコミュニケーション」と呼ばれる市場を成長させることを目指している。

同社は「具体的には、観光客が撮影しAirbnbなどのサイトにアップロードするビデオレビュー、カリキュラムの複雑な部分を説明するためにピアラーニングの学習サイトに投稿するクリップ、通常はテキストがメインの共同作業プラットフォームに統合するオーディオビジュアルのコンテンツなどが考えられる」と説明する。

こうしたことを実現するために、api.videoのプラットフォームでは現在のオンラインビデオの処理に必要な複数のステップを1つのAPIにまとめ、トランスコード、ホスティング、配信、分析ができるようにする。簡単に言えば、ビデオ版のTwilioを目指している。

モンテ氏は筆者に対し次のように語った。「現在のアプリやウェブサイトの大半は、テキストと画像の共有をベースにしている。これまでは、ビデオの実装が複雑すぎたからだ。ホテルのレビュー、出会い系サイト、eラーニング、共同作業や顧客サービスのプラットフォーム、オンラインのマーケットプレイスなどでは、ビデオを活用すればテキストや画像よりも深い内容を伝えられる」。

しかし多くの企業、特にビデオをビジネスの中心としているわけではない企業は、複雑さゆえにビデオ機能の導入に躊躇している。その一方で利用者からの需要は増えている。これが課題だ。

モンテ氏は「api.videoを利用すれば、規模や業種を問わずあらゆる企業の開発者がほんの数行のコードでビデオの可能性を活用できるようになり、こうした課題が解決する。しかも透明性の高い価格プランと請求の一元化で、完全なエンドツーエンドのソリューションを提供する」と説明する。

結果として、企業が利用しているシステムや必要とするコンテンツのタイプを問わず、開発者は業務ビデオコミュニケーションを「大規模に」構築できると同氏は述べる。

そのために、Blossom CapitalとKima Venturesから得た資金をもとにapi.videoを国際的に成長させ、「新しい市場に進出する」と同氏は語った。

「超低レイテンシのストリーミングやグローバルなエッジインフラの構築という技術的な目標を達成するために最適な人材も雇用したい。WordPressのような人気のプラットフォームやeラーニング環境、共同作業プラットフォームで使えるオープンソースのプラグインも追加する予定だ。ユーザーがストレスなくビデオを統合できるように、優れたドキュメントとネイティブのSDKを利用者の多い言語で常に提供したいと考えている」(モンテ氏)。

画像:api.video

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(翻訳:Kaori Koyama)