「始終聞かれるんです…またドットコムバブルなのか、と」TechCrunch Disrupt Berlinの壇上で、MelonportのCEO・共同ファウンダー、Mona El Isaが言った。「それで…私の返事はたいてい…こうです…で、もしそうなら?」
ブロックチェーンで制御された投資ファンドの運営会社を経営するIsaにとっても、一緒にパネルストを務めたICONOMIのCEO、Tim Zagarにとっても、問題はバブルかどうかでもいつ崩壊するかでもない。重要なのは次に何が起きても対応できるシステムにすることだ
両者とも、過熱する暗号化トークン市場は冷めつつあり、トークン投資の合理化が起きると確信している。
El Isaにとって、2000年のITバブル崩壊はIT業界の始まりではなく、終焉の始まりだった。その他の人間から見ても、歴史は彼女の理論を支持している。
「ドットコムバブルはひどかったが、今存在している巨大企業を見ていると、それがドットコムバブルの結果であり、われわれの日常生活の一部になっていることがわかる」とEl Isaは言った。
ICONOMIのCEOによると、bitcoinは暗号化通貨を使った価値創造の可能性を知らしめる役割を果たしたという。bitcoinはEtherへの入り口になり、新しいテクノロジーとサービスを開発するチャンスを生みだした。
「bitcoinはブロックチェーン会計を紹介し、Ethereumはブロックチェーン・コンピューティングの始まりをつくった」とEl Isaは言った。「次の自然な一歩はわれわれがこの上にソフトウェアをつくること」
ブロックチェーンを中心とした次世代ソフトウェア会社が出てくるためには、規制当局の介入が必要だとZagarは言う。「われわれはヨーロッパで複数の規制当局と話をしており、しくみとルール作りに協力している」。
市場にはある程度の監視が必要だとZagarは言う。「[規制当局にとって]主な関心事は投資家の保護。詐欺やいかがわしいプロジェクトができるのは困る。業界にとって非常によくないことだ。」
El Isaはそれに同意し、投資家にとって透明性は重要だと言った…そして自身のテクノロジーを売り込んだ。「投資ファンドを規制し、手続き上の利益相反を排除するテクノロジーが必要だ」。
両パネリストとも、今の熱狂はテクノロジーの対応能力を超えており、コインオファリングで評価額10億ドルの資金調達が行われるという異常な騒動はすでに鎮静化しつつある、という点で一致した。
Zagarにとって、今の動きは従来のスタートアップが利益を上げる方法に向かっているように見える。政府の白書と堅実なチームに頼って、投資家の関心を引こうとするプロジェクトはもはや成立しない。「チームは自分たちの製品をもっとアピールする必要がある」と彼は言った。
「バブルはこの夏に弾けた」とZagarは言う。彼の会社は投資家がデジタル資産を担保に融資する方法を提供している。「2~3の会社が賢い契約を結んで大金を稼ぐ…そんな時代は終わった」。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )