ロボティクス業界の資金調達の増加は今週も続いている。今回、カナダ・アルバータ州カルガリーを拠点とするAttabotics(アッタボティクス)の大規模なラウンドが行われた。この倉庫フルフィルメント(受注、梱包、発送などの一連の業務)システムを開発するのスタートアップは、5000万ドル(約52億7000万円)のシリーズC調達を発表した。興味深いことに、カナダ最大の年金制度であるオンタリオ州教職員年金基金がラウンドを主導した。
新型コロナウイルスの大流行の中で、労働者を代替・増強するために、より多くの産業がテクノロジーに目を向けるようになり、ロボティクスとオートメーションへの投資はかなりホットになっている。特に倉庫のフルフィルメントは、巨大な潜在的成長産業となっている。ロックダウン中で好調だったAmazon(アマゾン)の粘り強さは、伝染性の高いウイルスが人類に多大な影響を与えている中でも、ロボット工学が産業の未来を切り拓くための多くの役立つ方法を示している。
Attaboticsの創業者兼CEO、そしてCTOのScott Gravelle(スコット・グラベル)氏は今回の資金調達に関連したプレスリリースで「Attaboticsは小売業者やブランドからの関心が著しく高まっていることを感じています。新型コロナウイルスは、コマースの成長と倉庫スペースの需要を劇的に加速させ、サプライチェーンの効率化はすべての人にとって重要な課題となっています」と述べている。
Attaboticsの最も注目すべき点は、X、Y、Z軸で移動可能な車輪付きカートを備える「3D」ストレージシステム。これは同社が、蟻の巣の3次元的な構造に影響を受けたと説明しているシステムだ。このシステムを利用することで、人間の作業員が内容物を選別・配置・出荷できる。これは、Amazon Roboticsが展開しているシステムに似ており、労働者とロボットワーカーの間の協調作業で成り立っている。
AttaboticsのシリーズCラウンドにより、昨年7月の2500万ドル(約26億3600万円)の調達に続き、総資金調達額は8270万ドル(約87億2000万円)となった。これは前回の2倍の金額で、今回のラウンドは新型コロナウイルス蔓延という不確実な環境下での関心の高まりを示していることは間違いない。同社は今回のラウンドを商業展開のスピードアップと新技術の創出への投資に充てるとしている。
Attaboticsのシステムは現在北米の6カ所で展開されている。同社のロボティクスは、食品、B2B、小売部門で使用されており、全米でも有数の大型百貨店チェーンであるNordstrom(ノードストローム)との取引もその1つだという。
カテゴリー:ロボテックス
タグ:Attabotics
画像クレジット:Attabotics
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(翻訳:TechCrunch Japan)