マイクロソフトの量子計算機プラットフォーム「Azure Quantum」がパブリックプレビューに

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間2月1日、Honeywell Quantum Solutions、IonQ、1QBitといったパートナーが提供する量子ハードウェアとソフトウェアツールを利用するためのクラウドベースプラットフォーム「Azure Quantum」がパブリックプレビューに入ったと発表した。Azure Quantumは2020年5月から限定プレビューが始まっていた。当時はMicrosoftの一部パートナーや顧客にしか公開されていなかったが、2月1日からは量子コンピューティングに興味のある人は誰でもサービスの試してみることができる。

このサービスは現在、わずかな料金で提供されている。しかし、今後はすぐに値段が高くなる可能性がある。完全な料金表はこちらから確認できるが、基本的なシステムの利用方法では計算時間あたり約10ドル(約1000円)が必要になる。

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量子コンピューティングはまだ黎明期にあるため、MicrosoftやIBM、Rigettiのような競合企業の特定のプラットフォームで構築することは、特定のツールセットを購入することを意味する。Microsoftの場合、それはオープンソースのQuantum Development KitとそのQ#言語、そして最近発表されたLLVMベースのハードウェアに依存しないQuantum Intermediate Representation(QIR)中間言語だ。

「Azure Quantumのパブリックプレビューへの移行は、量子コンピューティングと私たちのエコシステムにとって重要なマイルストーンです」と、Microsoft QuantumのGMであるKrysta Svore(クリスタ・スヴォー)氏は伝える。「これはNational Quantum Initiative Quantum Research Centersへの選定、新しいAzure Quantumパートナーの追加、量子ビットのスケーリング制御回路におけるハードウェアの進歩など、2020年の勢いを引き継いでいます」。

量子コンピュータを構築するためのMicrosoftの取り組みは、まだ実用的な量子ビットには至っていないが、同社は他の分野でも前進している。しかし当分の間、Microsoftはこのプラットフォームを動かすために、同分野の他のプレイヤーとの提携に賭けている。これにより同社は「世界初の量子ソリューション向けフルスタック型パブリッククラウドエコシステム」を提供していると主張することも可能になる。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:塚本直樹 / Twitter