2週間ほど前に、「なぜネットメディアは国会記者会館を使えないのか?~国会記者会事務局長に聞く」(前編・後編)という記事がFacebook上で数多くシェアされているのに気付いた。シェアをしている多くの人はメディア関係者。内容を読んでみると、きっちりした取材に基づいた非常に骨太なインタビューだ。僕も非常に興味深く読ませて頂いた。
このインタビュー記事だが、実はいわゆる「オウンドメディア」のコンテンツの1つなのだ。運営するのは弁護士への法律相談や、弁護士、法律事務所の検索サービスを提供する弁護士ドットコムの「弁護士ドットコム」。その中にある「弁護士ドットコムトピックス」の記事となる。ここでは、世の中で起こるトピックスについて、弁護士の法的な側面からの見解を紹介する解説記事や、独自取材したインタビューを掲載している。編集部のメンバーは元新聞記者が中心。
Yahoo!ニュースにも記事を提供しているのだが、その結果もあってページビュー(PV)も大きく伸びているそうだ。最近では都議会のセクハラヤジ騒ぎに関するニュースで161万PV(オーガニックで2万PV)、渋谷の幼児虐待動画を撮影したニュースでは122万PV(オーガニックで78万PV)と、Yahoo!経由とは言え、ずば抜けたページビューを獲得している記事も増えているそうだ。弁護士に法律相談できるQ&Aサービスなども含めて、サイト全体では月間1008万PVとなっている。このトピックスに関しては、間もなく「弁コムニュース」に名称を変更し、さらにメディア色を強めてコンテンツを配信する予定だという。
そんな弁護士ドットコムだが、7月22日には本業である弁護士、法律事務所の検索機能を強化している。これまで都道府県単位でしか検索できなかった地域での検索については路線までの指定が可能になった。また弁護士の性別や写真、料金や解決事例、駅からの徒歩距離から駐車場の有無まで細かい条件での検索にも対応した。弁護士ドットコムに登録する弁護士は約6900人。国内の弁護士が約3万人というから、決して少なくない数の弁護士が同サービスを利用していることになる。
また同社では、この弁護士ドットコムのサービスを他の士業向けにも横展開している。姉妹サービスの「税理士ドットコム」でも弁護士ドットコム同様のQ&A機能を追加。さらに、マネーフォワードやfreeeと提携し、両サービスでの業務にする税理士の紹介なども開始している。弁護士ドットコム代表の元榮太一郎氏によると、今後は医療分野などでも同様のサービスを提供していく考えだという。