Cascade Labsは、オペレーションチームによるデータワークフローの自動化を助ける。そのときチームは同社のノーコードツールを使って、さまざまなデータソースからデータを取り込み、必要に応じて変換し分析する。そしてその結果に基づいて、特定のプロセスが起動される。同社は米国時間11月9日、First Round Capitalがリードするシードラウンドで530万ドル(約6億円)を調達したことを発表した。このラウンドには、Redpoint PartnersやSusa Ventures、それに多くのエンジェル投資家が参加している。
Cascade Labsは、CEOのJake Fuentes(ジェイク・フェンテス)氏とCTOのJon Brelig(ジョン・ブレリグ)氏が共同で創業した。フェンテス氏は以前、パーソナルファイナンスサービスLevel Moneyを共同で創業しているが、同社は2015年にCapital Oneが買収している。ブレリグ氏は以前、InfoScout(現Numerator)を共同で創業。CTOだったが、2019年9月にCascade Labsの創業に参加した。
ブレリグ氏によると、InfoScoutでは多くのOpsやアナリストたちがデータの分析に関しては高度なスキルを持っているが、その後、ワークフローの自動化に関しては技術がないことを見てきた。たとえばそれは、各週の複雑な報告書を、大量の手作業なしで作る、といった技術だ。
一方、フェンテス氏は、同じ問題をやや違う視点で見ていた。「自分の最後の企業をCapital Oneに売ったが、ご想像どおりそこは、分析が重視されるところです。しかし、仕事をよく知っている現場の人間が、我々にはアクセスできた大量のデータにアクセスできる範囲は、依然として限られていました。そこで私はCapital Oneを辞めた後、ジョンとこの問題を話し合うようになった。InfoScoutとCapital Oneで企業は違うけど『たぶんこれは実際には同じ問題なんだ』という認識からCascadeがスタートしました」。
企業がデータにアクセスして探求するツールは、当然ながらすでにたくさんあったが、フェンテス氏たちのチームは、データを調べることと実際にそれを活かすことの間に断絶がある、と主張している。「たとえばCapital Oneで必要とされていた偽のオペレーションが、まさにそのタイプだ。そしてInfoScoutは顧客に正しく奉仕することが必要だった。データをオペレーションに正しく活かすには、現在そこらにあるのとはやや違ったツールが必要だと思っている」とフェンテス氏は語る。
きれいなダッシュボードをいくら作っても、データツールを作ることはできない。たとえばそのデータはスクーター企業を助けて、充電や修理のための夜間ピックアップをやることになるかもしれない。Cascade Labsでは、オペレーションのチームが、最もありふれたソースからデータを取り出すことができる。必要ならそれは、CSVのファイルでもよい。そしてそれを軸に、ワークフローを作る。それはごくベーシックなDXかもしれないし、その他の標準的なデータ操作かもしれない。Cascade Labsは、ちょっとした予測能力も提供する。通常は、それらのワークフローの終わりにはアクションがある。それは、修理が必要なスクーターの車種をメールで尋ねるというアクションかもしれない。
投資家を代表してFirst RoundのパートナーであるBill Trenchard(ビル・トレンチャード)氏は次のように語る。「今も進行中のトランスフォーメーションの先頭にはLookerがいたと思う。それは、実際にビジネスを動かしている組織の適切な人たちに、適切なデータをどうやって届けるか、という問題だ。その点でCascade Labsがやってることは、進化だと思う。彼らが今いる場所は、ノーコードのツールと、非技術系のクリエイターがまるでエンジニアのように作れるという、2つの動きの交差点だ。それが、モダンなデータスタックの勃興です。両者の組み合わせで企業はデータを、これまでありえなかったまったく新しい方法で活用できます」。
彼によると、ダッシュボードを作るような統合ツールは今たくさん出回っているが、Cascade Labsの仕事は正しいデータを正しい人に届けることだという。
画像クレジット:Cascade Labs
[原文]
(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)