デザインとVC企業は、ふつうなら頭の中で結びつかない。でも最近のVCがますます、いろんな付加価値サービスを提供し始めている中で、Google Venturesは、GoogleやMozillaなどから集めたデザイナーたちのオールスターチームにより、同社が投資しているスタートアップのデザインの向上を助けている。その‘教育活動’は、Design Sprint(デザインスプリント, デザインの短距離走)と呼ばれる事業を通じて行われる。それは、傘下スタートアップたちのデザインの問題を解決するための特訓キャンプだ。
今回本誌が取材のために参加したのは、CircleUpというスタートアップのために行われた特訓クラスだ。同社は、ベンチャー資金が得られないような小規模の消費者対象企業(小売など)に投資家を結びつけるサービスを提供している。ふつうなら半年ぐらいかかりそうな学習過程を、この特訓では5日間で行い(まさに短距離走!)、まず初日は、スタートアップの製品および技術担当者たちに問題と課題を理解させる。
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2日目はたくさんのラフスケッチを描き、3日目にはユーザにとってどれがベストかを決定する。そして4日目はプロトタイプを作る。最後の5日目には、ユーザテストを行って問題点や改良すべき箇所を同定する。GVにはすでに‘デザインパートナー’という役職があり、その彼Jake Knappの説明によると、このやり方はデザインコンサルタント企業IDEOと、スタンフォード大学のd.school(デザインスクール)で開発されたものだ。
学習過程は完全に対話的および視覚的で、とても効果的だ。最後には実物プロトタイプを作ってユーザテストも行う。会場は大学の演習室といった雰囲気の部屋で、壁にたくさんの画像やポストイット、ステッカーなどが貼ってある。大きなタイマー時計もある。
Knappはこれまでに大量のGoogleプロダクトをデザインしている(Google Search, Chrome, Ads, Gmail, Apps, Google+, Security, Commerce, 2011年のGoogle全域デザイン刷新)。もう一人の‘先生’Braden Kowitzは、GVの最初のデザイナー正社員で、Google Buzz、Gmail、Apps for Businessなどのデザインを過去に担当した。
CircleUpのファウンダRyan Caldbeckの感想: おかげでデザインに対する考え方が変わった。ふつうなら数か月もかかるような課程を数日で終了し、結論にまで達することができた。ここで作ったデザインを、実際のサイトに採用した。“今のデザインの90%は、GVで学んだことがベースだ。デザインスプリントのおかげでデザインを完全に一新することができた。これで投資家たちも、CircleUpの上のプライベート企業を評価しやすくなるだろう”。
今年、Google VenturesのDesign Studioは27回のデザインスプリントを行い、またユーザ調査スプリントは28回行った。昨年はデザインスプリントを30回ぐらい行った。投資先のスタートアップが途中でへたらないために、こんな育成サービスを提供しているのは、今のところGVだけだ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))