「プログラムコードのYouTube」を目指すRunnable。サンプルはサイト内で編集・実行可

開発しようとしているプログラム(コード)に似たものがないかと、Googleを検索してみるのはよくあることだ。非常に多くのコードが公開されているが、あちこちに分散していて、比較したり内容を検証するのがどうにも面倒だ。Amazonや、ホスティングサービス企業で働きつつ、やはりこのように感じた人物がRunnableというサービスを立ち上げた。コードを探しだすのみでなく、その場で編集して、さらに動かしてみることもできる。

開発者向けのリポジトリとしてサービスを拡大していきたいというのが、サービスの狙いだ。そのためにはできるだけ多くのコードを集めておく必要がある。そこで、開発者向けのプロジェクトをホストするサービスも展開しようと考えているところなのだそうだ。

CEO兼共同ファウンダーのYash Kumarによれば、昨今の開発者はゼロからコードを書き起こすことはむしろ少なく、既にあるものをリサイクルすることが多くなっているのだそうだ。Kumar曰く、優秀な開発者といえども、あらゆる新技術やツール、ないしコンポーネントに精通するというのが困難になっているという状況がある。また、従来よりも多くの人がプログラミングに携わるようになってきているが、対応しなければならないAPIなども膨大になっていて混乱してしまうことも増えているらしい。

そのような現実に対処するため、いちからコーディングするのではなく、既存のコードを組み合わせて目的の機能を実現するというやり方が一般化してきているのだ。但し、そうしたムーブメントがある中で、効率的に、あるいは簡単に再利用可能なコードを探しだすためのサービスは、まだ構築されていない。

適当なものを探しだせず、APIの説明書や誰かの書いた使い方の記事、あるいはwikiなどの中を右往左往して、時間ばかりがかかってしまうという開発者も多い。

Runnableでは、さまざまな検証済みコードをPHP、Node.js、Python、JavaScript、ASP.NET、あるいはRuby on Railなどの言語ごとないしはフレームワークごとにまとめている。現在のところは1000件ほどのコードが登録されているそうだ。サイトの知名度があがるに連れて、すぐにも登録コード数は10倍以上に増えていくだろうというのがKumarの考えだ。現在のところは登録されるコードについて、すべて運営チーム側で検査を行っているが、将来的にはMediumに記事を投稿するような感じでコードを登録できるようにしていきたいとのこと。

また、コードのみならずAPIなどの「使い方」に関わる情報も収集していきたいと考えているそうだ。たとえばデータベースならばMySQLMongoDBredisなどを利用するためのコードを掲載しているし、またフロントエンドやバックエンドサービスについてのコードも集めていきたい考えだ。現在とくに注力しているのはPayPalのAPI関連のコードで、他にもメジャーなAPI関連コードを徐々に集めていきたいと考えている。

欲しいコードがきちんと分類して登録されているだけでも便利なのだが、サイト上で編集して、さらに実行テストまでできるのがRunnableの大きな魅力だろう。Kumar曰く、数年前まではとても実現できないことだったが、サンドボックスなどのおかげで、サービスの信頼性を保ちながら実行環境を実現することもできるようになったとのこと。

将来的にはコミュニティ機能ももたせていく考えらしい。たとえばコードエディタにコメント機能を搭載して、そのコードを使っている全ての画面に反映させることなどができれば便利かもしれない。もちろん対応言語やフレームワークの数も増やしていく予定だ。

ちなみにこれまでのところは少額のシード資金によって運営している。将来的には他サービスとの連携して、有料でコードを提供するようなエコシステムを作っていきたいと考えているそうだ。

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(翻訳:Maeda, H