「平和のための3Dプリント」コンテストをミシガン工科大学が主催

3Dプリント銃のDefense Distributedが今守勢なのを機に、3Dプリントの本来の意味をすこし真剣に考えてみよう。そのためにミシガン工科大学が、 平和のための3Dプリンタコンテストを主催する。世界を良くするために3Dプリンタを使ってすばらしいものを作る、という趣旨だ。このプロジェクトを立ち上げたJoshua Pearce博士は、“残念ながら人びとが3Dプリントについて今知っているのは、それで銃が作れるということだけだ”、と述べている。

“課題や制約は何もないコンテストだが、アイデアのヒントとしては、Mother TheresaやMartin Luther KingやGandhiが3Dプリンタを使えたら何を作っただろう、と考えてみるのもよいだろう”。

締め切りは9月1日、入賞作品は4日に発表される。主催者が求めているのは、人を傷つけるのではなくて人を助ける何かだ。

・ローコストな医療機器
・人びとを貧困から抜け出させるためのツール
・人種問題を軽減するデザイン
・エネルギーの利用効率や再生可能エネルギー源を改良し石油をめぐる争いを少なくするもの
・軍事衝突と軍事支出を減らし世界をより安全に住みやすくするためのツール
・持続可能な経済開発を促進するもの(たとえば途上国に適した技術とデザイン/設計により稀少性を軽減するもの)

優勝賞品は3DプリンタType A Machines Series 1、準優勝賞品はよりシンプルな3DプリンタRepRap Prusa Mendelだ。

マスコミが一斉に、3Dプリントによる火器の野放し化に注目している今、それとはまったく違う方向が提示されたことには、ほっとする。3Dプリントという技術と関連の技術者や企業を窮地に陥れているDefDistや政府は、恐怖を利用して何かの目的を達成しようとしている。その結果は、無意味に厳しい規制と、間違った計画をかえって世界中に広めてしまうストライサンド効果だ。政府がDVDの暗号解読コードを禁止したら、そのコードを印刷したTシャツを買えばよい。でも今回のコードは、人の指を吹き飛ばし、お役人たちに家庭用3Dプリンタを全面禁止する口実を与えてしまう。

コンテストに参加した人は、そのことを教えてほしい(幸運を祈る!)。貧困に勝つための武器はもっともっと必要だが、人がお互いを殺し合うための武器は、これ以上要らない。

[画像出典: Thingiverse]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))