Twitterにストーリー機能が搭載される日が近いのだろうか? それとも、ちょっときれいなツイートを送信するためのツールを入手するだけなのだろうか? Chroma Labsを買収したばかりのTwitterには、いまやどちらに向かう力も備わっている。Instagram Boomerangの発明者であるJohn Barnett(ジョン・バーネット)氏が共同創業したChroma LabsのChroma Storiesアプリを使うと、Instagram StoriesやSnapchatなどに投稿するための、スタイリッシュなレイアウトテンプレートやフレームを使ったコラージュを作ることができる。
TwitterはChroma Storiesをそのまま維持するのではなく、Chroma Labsのチームを製品、デザイン、エンジニアリングのチームへと吸収する。iPhoneのChroma Storiesアプリ はなくなるわけではないが、これ以上更新されることはなく、iOSの次の非互換アップデートまでの動作が期待されるだけだ。
@picturejohn、@alexli、そして@joshuacharrisをはじめとする@Chroma_Labsのチームを、@Twitterに迎えることができることにワクワクしています。
彼らは私たちの製品、デザイン、エンジニアリングのチームに加わり、Twitterで自分を表現するより創造的な方法を、ユーザーのみなさまに提供していきます
「2018年にChroma Labsを設立したときに、創造性を刺激し、ユーザーが視覚的なストーリーを伝えることを手助けする企業を作り上げようとしました。おかげさまで過去1年間で、世界中のクリエイターたちや企業にChroma Storiesアプリを使って、たくさんのストーリーを作成していただけました」とChroma Labsチームはそのサイトに書いている。「私たちはこの成果を誇りに思っています、そして世界で最も重要なサービスの1つの中で、より大きな規模で私たちのミッションを継続できることを楽しみにしています」
TechCrunchは取引の詳細と買収金額について、Twitterに問い合わせた。Twitterはこれは単なる開発チームの獲得(acquihire)ではなく、(Chroma Storiesは終了するものの)企業そのものの買収であるということを認めた。買収条件の開示は拒否したが、Chroma Labsの7人の従業員全員が移籍すると語っている。チームはTwitterの Conversations部門で作業する予定だ。この取引は公開ディスカッションに役立つ才能、リーダーシップ、専門知識を高めることも目的としているのだ。Twitterの広報担当者は、Chromaが事業を停止しアプリの次のバージョンが制作されないことも認めた。
2018年後半に設立されたChroma Labsは、2019年初頭にシードラウンドを行い、Sweet Capital、Index Ventures、Combine VCを投資家として迎えた。バーネット氏の共同創業者には、Facebook PhotosおよびInstagram StoriesのエンジニアリングマネージャーだったCTOのAlex Li(アレックス・リー)氏や、Oculus RiftとFacebookの拡張現実フィルターのプロダクトデザインマネージャーだったJoshua Harris(ジョシュア・ハリス)氏らが名を連ねている。
Chroma Storiesを使用することで、レトロフィルター、休日をテーマにしたフレーム、おしゃれなコラージュテンプレートから選択を行い、毎日投稿される膨大なストーリーの中で、自分の投稿を特別なものに見せることができる。Sensor Towerは、Chroma Storiesのこれまでのダウンロード数を3万7000回と推定している。高い品質を持つアプリにもかかわらず、それほど熱心に市場に受け入れられていなかったことも、今回のチームのTwitter入りを説明してくれるのかもしれない。
Twitterは、ビジュアルストーリーテリングの最も優れた才能を取り込むことで、テキスト中心のアプリにスパイスを加えることができる。今やTwitterは、ストーリー機能を持たない数少ないソーシャルアプリの1つであり、そのクリエイティブツールは非常に限られている。ツイートに写真をレイアウトするより良い方法の提供は、Twitterをより美しくし取捨選択を楽にしてくれる。これによってTwitterは10代の若者にとってより魅力的なものになり、Snapchatに遅れをとっているユーザー数の増加にも役立つことだろう。
Twitterは、世界の公的発言記録の場となっている。Chroma Labsがもたらす才能によって、Twitterはアートやデザインのリアルタイムギャラリーにもなるかもしれない。
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(翻訳:sako)