インドのOyo(オヨ)は9月2日、コペンハーゲンに拠点を置くデータサイエンス企業であるDanamica(ダナミカ)を買収すると発表した。Oyoは急速に成長する宿泊施設のスタートアップ企業として、ヨーロッパでのビジネスを拡大する狙いがある。
いずれの当事者も買収条件を公表していないが、本件の情報筋はTechCrunchに、Oyoがこのデンマーク企業を買収するために約1000万ドル(約10億円)を支払ったと語った。
2016年創業のDanamicaは、機械学習ツールと「ビジネスインテリジェンス機能」を開発し、賃貸物件のダイナミックプライシングに特化している。Oyoによると、Danamicaのアルゴリズムは1時間ごとに144,000のデータポイントを分析し、97%の予測精度で毎日6000万件の価格変更を行い、ホテルの収益増加に貢献している。Oyoが海外拠点を拡大しつつある中、DanamicaがOyoの技術的専門知識を強化するのに役立つとのことだ。
インド最大のホテルチェーンであるOyoは、他の国でも急速に拡大している。すでに80カ国でビジネスを展開する。Oyoの運営する100万室のうち約半分がある中国には昨年進出した。
Oyoは数週間前に、ヨーロッパのバケーションレンタル事業に3億ユーロ、今後数年間の米国の事業拡張に3億ドルをそれぞれ投資する計画を発表したが、今日の発表はそれに続くものだ。今年5月、Oyoはアムステルダムに拠点を置くホリデーレンタル会社LeisureをAxel Springerから4億1500万ドルで買収した。
OYO Vacation and Urban HomesのグローバルヘッドでOYO Hotels&Homesの最高戦略責任者を務めるManinder Gulati(マニンダー・ガラッティ)氏は声明で「ヨーロッパに拠点を置く機械学習およびビジネスインテリジェンス企業でありダイナミック・プライシングに特化するDanamicaの買収を発表できることをうれしく思います。ダイナミック・プライシングはより正確な価格設定を可能にし、それにより不動産所有者の効率と収益性が向上し、OYO Vacation Homesを選ぶ何百万人もの世界中のゲスト(旅行者と都市居住者)にも払うお金に見合う価値を提供します」とコメントしている。
今年7月、OyoはOyo Workspacesの立ち上げによりコワーキングスペース市場に参入した。 同社の幹部はニューデリーで行われたメディアカンファレンスで、来年末までにOyo Workspacesをアジアマーケットで最大のプレーヤーに育てることを目指していると語った。市場シェアの早期獲得のため、OyoはインドのコワーキングスペースのスタートアップのInnov8を買収したと述べた。情報筋によれば、OyoはInnov8を買収するために約3000万ドルを支払ったようだ。
同月、ソフトバンクが支援するOyoの創業者で25歳のRitesh Agarwal(リテッシュ・アガーウォール)氏は、同社に早い時期から投資していたLightspeedとSequoiaが持分を現金化するタイミングで、自身の持分を3倍にするために20億ドル投資した。この投資がOyoのバリュエーションを100億ドルに引き上げた。
画像クレジット:Ramesh Pathania / Mint / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)