DARPAは、そのGround X-Vehicle Technologies計画の一環として、未来的でしかも実用的な新しい軍用車両を披露した。イノベーションのひとつである構成を変えられるホイール・トラックは、カーネギーメロン大学のNational Robotics Engineering CenterとDARPAの共同開発だ。しかもそのホイール・トラックは、戦闘用車両を単なる武装を超えて生存性を強化するための設計要素の、ひとつだ。
ビデオでお分かりのように、構成を変えられる(reconfigurable, リコンフィギュラブル)ホイール・トラックは、円形の車輪から三角形のトラック(キャタピラー)への変形およびその逆をなめらかに約2秒で行い、しかも走行時にスピードを落とさずにそれができる。円形の車輪は硬い地面に合い、キャタピラー方式のトレッドはやわらかい地面で武装車両が自由に動ける。
Ground X-Vehicle計画のトップ、Amber Walkerによると、この技術は“車両の戦術的な動きと、多様な地形における行動性を大きく改良する”。…そのアドバンテージは、下図のGIF画像でお分かりいただけよう。
車輪の技術なんて、一見ぱっとしないが、結果は見た目にも印象が強いし、とってもスムーズだから、あらためて見なおしてしまう。
ビデオには、ほかにも見逃せない設計機能が映っている。そのひとつが、窓なし走行技術Virtual Perspectives Augmenting Natural Experiences(V-PANE)で、これは複数のLIDARとビデオカメラの像から、まわりの状況をリアルタイムで作りだす。そしてドライバーは3Dのゴーグルをつけて、VRによる窓からの光景を見る。そのVRは奥行きの把握と再現が強化され、ドライバーの頭の動きにリアルタイムで追従する。もちろん、さまざまな地形データ等も表示する。
画像クレジット: DARPA