大手Web企業→スタートアップの流れが来る? クラウド会計「freee」にex-Googlerが続々ジョイン

日本のスタートアップ業界でex-Googler(GoogleのOB/OG)の存在感が高まってきている。今年4月にローンチしたクラウド予約システム「Coubic(クービック)」を手がける倉岡寛氏、5月に東証マザーズに上場したDSP事業のフリークアウトを設立した佐藤裕介氏は、どちらもGoogle出身。クラウド会計ソフト「freee」を運営する佐々木大輔氏もその1人だ。TechCrunch Japanでは5月、「大企業を飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」というテーマでイベントを開催したのだが、その際に佐々木氏が「海外のex-Googlerは起業したり、スタートアップにジョインするのが普通の選択肢」と語っていたのが印象的だった。そのfreeeにex-Googlerが続々とジョインしている。

2013年9月には、日本の中小企業向けマーケティングで「みんなのビジネスオンライン」のプロジェクト立ち上げから推進までを統括していた東後澄人氏が取締役として就任。今年2月には、Google日本語入力のUXなどを担当していた関口聡介氏が加わった。そして今日、2003年にGoogle Japanの17番目の社員として入社し、中小企業向けの広告営業チームを立ち上げた野澤俊通氏が執行役員に就任した。野澤氏はGoogle時代、フリークアウト佐藤氏の上司でもあった人物だ。

佐々木氏によれば、野澤氏は「中小企業向けのオンラインセールス・サポートチームのマネジメントのプロ」。Googleはかつて、「プロダクトがよければすべての問題を解決するというような思想の組織」だったというが、「野澤さんは、人がスケーラブルなサービス提供をする価値を実証してきた」と高く評価している。同氏の加入によって今後は、新規や既存ユーザー向けのサポートといった「人の手を含めた」サービスを強化する狙いだ。

冒頭で紹介した弊誌イベントには、リクルートを経てA/BテストのKAIZEN platformを創業した須藤憲司氏もご登場いただいたが、同社には2014年2月、元Google Japanの小川淳氏がカントリーマネージャーとして加入したほか、グリーおよびGREE Internationalでゲームやアドテクノロジー分野のプロダクトマネジメントを手がけた瀧野諭吾氏が参画している。

いわゆる大企業というのと違うのかもしれないけど、Googleのようなテックジャイアントからスタートアップという流れは来ているのかもしれない。