Exyn Technologiesは米国時間4月27日、航空業界で最高レベルの自律飛行を達成したと発表した同社によると今回の成果は、GPS信号が途絶えても、すべての空間と地図の計算をオンボードで行うことができる点にあるという。
Exynの自律飛行の定義は、自動車に適用される同様の基準に基づいており、同社のドローンはレベル4Aの自律飛行を達成している。同社によると、これはドローンが遠隔操作者なしで指定された3Dエリアを探索できることを意味するという。
Exynによる今回の成果は以前のレベル3からの大きな進歩だ。レベル3ではいつでも操縦を代わることができる人間操縦士が必要であり、ドローンは空域信号を伝えられないところに入ることができない。
航空機のレベル3の自律操縦には、ポイント・ツー・ポイント(点間)ナビゲーションという定義がある。そのためには人間オペレーターが、ロボットがたどるべき一連の位置を指定し、ロボットはベストを尽くしてそれに従わなければならない。自律操縦航空機のスタートアップであるXwingの自動飛行ユーティリティ機はこのレベルにあり、指定された航路に従う。しかし現実のユースケースでは、人間操縦士が操縦環境に関する詳細な知識を持っていないこともありえる。あるいはロボットが既存のマップにアクセスして学習し、その動きを報告することができないかもしれない。
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「私たちが開発した自律システムは暗く、汚く、危険な環境に導いてくれます」とExynのCTOであるJason Derenick(ジェイソン・デレニック)はいう。「危険な場所に置いて、必要な情報を集めるために送ってください。多くの場合、必要な情報は、通信と視覚の両方の観点で確認できる範囲の先にあります」。
Exynのドローンには、同社が自動偵察(scoutaunomy)と呼ぶ機能がある。その機能は、まずドローン自身が自分が飛べる箱状の空域を定義し、LiDARセンサーを使いすでに探求した空域と、これから探究する空域を判別し、自動でナビゲーションして正確で高精細の空域のマップを作る。ドローンはハードウェアを特定しない仕様であり、センサーが情報を集めて地図に落とす部分はユーザーが搭載したでもいい。
「3次元の地図を作成し、その上にカメラからのRGB情報を重ねることで、空間のフォトリアリスティックな3D表現が可能になります。熱や湿度のセンサー、放射線量の測定、ガスの測定、換気のチェックなどを行っているとしたら、それは非常に重要なことです。これは、現在の地下採掘にはない、非常に豊かなデータセットになるでしょう」と同社CEOであるNader Elm(ネイダー・エルム)氏は次のようにいう。
Exyn Technologiesの現在のユースケースの多くは鉱業関連で、Rupert ResourcesやDundee Precious Metalsなどが主な顧客だ。未知の領域の地図やデータマップが自動的に得られるので、鉱山労働者の安全を維持でき、事業の意思決定もより良質になる。同社は最近、スウェーデンの鉱業および建設業大手Sandvikとのパートナーシップを発表し、ExynのマッピングソフトウェアとSandvikのマッピング分析技術を統合する計画だ。
同社によるとExynは各国政府の諜報や監視、偵察業務にも利用されており、また核エネルギーや土木建設、ロジスティクスの分野でも使われているという。
カテゴリー:ドローン
タグ:Exyn Technologies、自動運転
画像クレジット:Exyn Technologies
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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)