意外にも、Facebookのニュースフィード広告はユーザーを逃がしていない

昨年Facebookは、モバイルのニュースフィードに広告を載せることによってユーザーを逃がすリスクを負った。しかし、Mark Zuckerbergにとって意外なことに、広告表示回数急増にもかかわらず、2012年のいいね!とコメントの減少はわずか2%だった。ユーザーは依然として忠誠であり、Q4決算報告会見でZuckerbergは、これをFacebookが提供している価値の証であると評した。

いったいユーザーはフィード広告をクリックしているのかか、そもそも気付いているのかどうかはともかく、彼らはそれが理由でFacebookを使わなくなってはいない。友達のコンテンツの間に宣伝広告を見せられることに文句を言う人は大勢いるが、どうやら彼らはそれを見すごすだけでアプリやブラウザーを閉じることはないようだ。

Zuckerbergによると、同社は広告が増えるとエンゲージメントが下がるかどうかを、念入りに注目していた。そうなることを予想さえしていたが、結果は違った。表示する記事の関連性を高めることによるニュースフィードの品質向上は、いいね!とコメントが約50%増えることに貢献した。広告によるエンゲージメントの低下はわずか2%だった。

これは、Facebookがもっと広告を見せてもよいことを意味しているのかもしれない。そうなればモバイル売上の成長を維持していける。今期モバイル広告売上は3.05億ドルに達し、広告売上全体の23%を占めた。前四半期はそれぞれ1.5億ドル、14%だった。真の評価は、果たしてFacebookがこれらの広告を、アプリや商品を見つけるのに役立つのでそれを見たユーザーはもっとFacebookを使うようになる、という状況にまで持っていけるかどうかだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Facebook、利用者毎売上げは地域により大きな隔たり。北米が一番で対欧州比で3-4倍、対アジア比ではほぼ6倍(しかし米国内の利用者増加率は頭打ち)

fb-earthFacebookの利用者は、ホームであるアメリカの外で大きく伸びている。但し、少々問題もあるようだ。アメリカ国内での利用者に比べて海外の利用者は「稼ぎ」が悪いのだ。第4四半期についての報告(PDF)によると、この四半期のアメリカおよびカナダにおける利用者毎利益(ARPU)は4.08ドルだったとのこと。これがヨーロッパでは1.71ドルとなり、アジアでは0.69ドル、さらにその他の地域では0.56ドルにまで落ち込んでしまうのだ。アメリカでの成績に比べると、あまりに低い数値となってしまっている。

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利用者毎の広告売上げについても同じことが言える。アメリカでの広告売上げは639ドルで、ヨーロッパは約半分の374ドル、そしてアジアが168ドルで、他地域は156ドルということになっているのだ。

全体として見ると、アメリカおよびカナダがFacebookの売上50億ドルのうち半分の25億ドルほどを賄っていることになる。ちなみに両国の利用者数の割合は全体の18%に過ぎない。

これは、利用者数が増加傾向にある国が、アメリカほどに裕福ではないことによるものだ。また、アクセスに用いているデバイスの性能によって受信できない広告もある(スマートフォンやPC向けの広告で、フィーチャーフォンでは表示されないケースもある)。さらにFacebook上のゲームでクレジットを購入するなどという消費習慣もないケースが多い。Facebook Giftで15ドルの出費など考えることすらできないという人もいるのだ。こうした利用者が増えていく中、今後どういった収益構造を構築していくのかは大きな課題だ。

「ヨーロッパの、あまり豊かではない国々でも利用者が増加しつつあります。サービスに出費することはあまりなく、そのおかげでFacebook全体の平均的売上額を押し下げる方向に作用しています」とFacebook CFOのDavid Ebersmanは言っている。また、ゲームやゲーム売上の点では、アメリカや、他の成熟市場においても成長が鈍化しつつあるようだ。「従来の市場においても、利用者数が大いに伸びているという状況にはありません」とのこと。

Facebookの月間アクティブ利用者数は10億5600万程度だ。そしてQ4ではアメリカの月間アクティブ利用者数が1億9300万ということになった。Facebook全体の18%程度をアメリカが占めるということになるわけだ。

この四半期における増加数は400万で、一昨年同四半期との比較で7.8%の伸びを示したに過ぎない。成長率についていえばアメリカ以外の方が高いものとなっている。ヨーロッパの月間アクティブ利用者数は2億6100万人で、増加数は800万。一昨年同四半期比較で10.5%増となっている。アジアでの増加数は2100万で、総利用者数は2億9800万となった。また、その他の地域を見ると昨年における成長率は40.6%となっている。Q3からの増加数は1600万で総利用者数は3億400万だ。一昨年同四半期比の成長率は35%とのことだ。

開発途上国でもスマートフォンの普及が始まっている。この流れにのって利用者を増やしていけるかどうかが、まずはひとつの課題だ。そしてさらに、そうした利用者にアクティブに使ってもらい、そしてそこから利益を上げていくことが、今後の大きな課題となる。

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(翻訳:Maeda, H)