ニューヨーク州立大学バッファロー校の研究者たちが、3Dプリンターに指紋があることを見つけた。設計のわずかな違いで、プリント物がプリントされたプリンターを同定できるのだ。未来の捜査官は、3Dプリントされたオブジェクトのレヤー(プラスチックの層)を調べて、それをプリントした3Dプリンターを特定できる。
研究のペーパーの主筆Wenyao Xuはこう言う: “3Dプリントはいろんなすばらしい使い方があるけど、贋作者にとって夢のような道具でもある。しかしもっと心配なのは、ピストルやライフルなどの小火器を、許可のない人も含め、誰でも持てるようになることだ”。
研究者たちが見つけたのは、プラスチックの層にある小さな皺(しわ)で、プリンターの機種や使用されたフィラメント、ノズルのサイズなどが分かることだ。マシンの細部のちょっとした偏りや癖によって、不完全なパターンがプリントされるのだ。彼らはその技術を、PrinTrackerと呼んでいる。
“人の指紋のように、これらのパターンはユニークで再現性がある。その結果、パターンを調べることによってその特定の3Dプリンターにたどり着くことができる”、と研究者たちは書いている。
この方法は主に、MakerbotのようなFDMプリンターに有効だ。それらは、フィラメントの長いスプールを使ってプラスチックの層をビルドプレートに落としていく。
しかし銃の3Dプリントに使われるプリンターは複雑で高価な機種が多いので、個々の層の変異が少なく、使われたプリンターの同定が難しいこともある。でも、そんな銃でも、一部の単純な部品には見て分かる変異がある。
Xuは曰く、“3Dプリンターの各機種は、どれも同じであるように作られるが、製造工程でわずかな違いが生じ、それにより、プリントされるどのオブジェクトにも、ユニークで不可避で変更不可能なパターンが生ずる”。