アップルが自社デバイスのリモート管理を支援するFleetsmithを買収

IT部門が従業員のデバイスの設定や管理をリモートで支援しなければならない時代には、プロセスを簡素化するサービスが役立つことは間違いない。Apple(アップル)はそれを認識しており、米国時間6月24日に企業がアップル製デバイスの設定や管理を支援するスタートアップであるFleetsmith(フリートスミス)を買収した。

アップルは買収を公表していなかったが、TechCrunchが取引を確認し、またFleetsmithも会社のブログ記事で取引を発表した。なお、どちらの企業も買収価格を公表していない。

このスタートアップは、アップルのDevice Enrollment Programを活用した技術を構築しており、従業員がデバイスを箱から出して電源を入れると、すぐにIT部門がオンラインで確認できるようにしている。

昨年の3000万ドル(約32億円)のシリーズB資金調達時に、CEOのZack Blum(ザック・ブラム)氏は同社の中核的な価値について「顧客は従業員に直接デバイスを配給できる。箱を開封してWi-Fiに接続すると、デバイスは自動的にFleetsmithに登録される」と説明していた。

Fleetsmithはデバイス登録の自動化以外にも、OSやセキュリティアップデートでデバイスを自動的に更新したり、IT部門が管理下にあるすべてのデバイスのステータスをダッシュボードで見られるようにしたりするなど、便利な機能を洗練されたインターフェイスとともに追加してきた。

アップルはおそらく、同社のデバイス管理部門をリードするJamfと協力を続けるだろうが、多くの従業員が自宅で仕事をしなければならない今、今回の買収はアップルにリモート管理の選択肢を与えることになる。

ブログ記事によるとFleetsmithは、Menlo Ventures、Tiger Global Management、Upfront Ventures、Harrison Metalなどの投資家から4000万ドル(約43億円)以上の資金を調達しており、今後も同社のウェブサイトを通じて製品を販売していくという。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter