FOVEがついに視線追跡VRヘッドセット「FOVE 0」の出荷を開始

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FOVEはラスベガスで開催されているCESで、視線追跡VRヘッドマウントディスプレイ「FOVE 0」の発送を開始すると発表した。FOVEが2015年5月に実施したKickstarterのクラウドファンディングにおける当初の出荷時期は2016年3月だったが、その後パーツ調達の問題に直面し、発送を延期していた。それから8ヶ月近く経って、ようやく出荷の準備が整ったようだ。また、FOVEは今回出荷の発表と同時にリラクゼーションを促すVR体験「LUMEN」のコンテンツ追加とVRアナリティクスサービスcognitiveVRへの対応を発表した。

まずは数千台の「FOVE 0」を出荷するという。Kickstarterの更新情報を見てみると、工場からの出荷日は1月8日とある。

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出荷延期などの問題はあったものの、プロダクト開発は順調に進んでいたようだ。2016年11月にはヘッドセットの予約販売にこぎ着けた。価格は599USドルで、今から購入すると2月の発送予定とある。ただ、FOVEは現在、白と黒のヘッドセットを用意しているが、黒色は1月末までの限定販売で、以後白色のみに注力するという。

今回、FOVEは製品出荷の他にコンテンツについてもいくつか発表を行った。1つは、VRスタジオFramestoreが開発しているリラクゼーション体験「LUMEN」が利用できるようになる。LUMENは木々を見ることで育ち、花が咲き、色が変わる幻想的な世界観のVRアプリだ。LUMENは当初Time inc.のVRプラットフォーム「LIFE VR」のみで提供していたものだ。

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もう一つ、FOVEはVRに特化したアナリティクスサービスを提供するcognitiveVRに対応する。cognitiveVRを使用することで、VR上のユーザーの移動経路や視線のヒートマップなどを得ることができる。例えば、VRのコマースアプリであればユーザーが良く立ち寄る場所を特定したり、不動産の内覧するVRアプリであればユーザーが物件で気になっている箇所を特定したりすることができるだろう。

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2016年はOculus Rift、Playstation VRなど主要なVRヘッドセットが出揃い、ようやくそこにFOVEも並んだ。視線追跡はFOVEの特徴的な機能だが、VRヘッドセットに取り組む企業はどこも視線追跡技術の開発を急いでいるようだ。昨年12月、Oculusは視線追跡技術を開発するThe Eye Tribeを買収しているし、同様にGoogleも2016年10月にアイトラッキングのEyefluenceを買収した。GoogleはVRヘッドセットの開発に乗り出すとも発表している。今後数年でVR領域にどのような発展があるか目が離せない。