PayPalがオンライン決済の中国GoPayの買収を完了、海外オンライン決済サービスとしては中国初

PayPal(ペイパル)は12月19日朝、GoPay(Guofubao Information Technology)が発行する株式の70%を買収したと発表した。これにより、PayPalは中国でオンライン決済サービスを提供する初の外国企業による決済プラットフォームとなる。株式の買収は中国人民銀行に9月30日に承認されていて、このほどクローズした。ディールの詳細は非公表だ。

GoPayはオンライン決済とモバイル決済のライセンスを保有し、主にeコマースやクロスボーダーコマース、観光などの業界向けの決済プロダクトを提供している。PayPal同様、GoPayも顧客がオンラインショッピングをする際に小売がウェブサイト上で支払いを受け付けられるようにする。中国の決済マーケットは、AliPayやWeChat Payなどeウォレットプロバイダーを含む地元企業が主導しているが、PayPalがサービスを展開する余地は残されている。中国では毎年、電子決済が数十億ドルではなく、数兆円規模で行われている。

Frost & Sullivanの予測によると、モバイル決済だけみてもマーケットは2017年の29兆9300億ドル(約3300兆円)から2023年には96兆7300億ドル(約1京580兆円)へと年21.8%ペースで成長することが見込まれている。これは部分的にはeコマース需要の増加による。アクティブモバイル決済客の総数は2023年までに9億5600万人に達するとも予想されている。中国マーケットではまた、クロスボーダー決済も増加していて、特にeコマース、旅行、海外教育などの部門で顕著だ。2016年には6兆6600億ドル(約730兆円)に達した。

米国の金融機関は長い間、中国進出に苦心してきた。2018年に中国中央銀行は外国の決済サービス企業に門戸を開くと述べていたが、承認は遅々としていた。2018年11月なってようやく、American Express(アメリカン・エキスプレス)が中国でのクレジットカード決済サービス展開が許可された初の米国企業となった。VisaとMastercardも同様に参入を試みている。

「この歴史的な買収を完了させることができうれしく思う。これでダイナミックな中国マーケットに参入できる」とPayPalの会長でCEOでもあるDan Schulman(ダン・シュルマン)氏は買収クローズに関する声明文で述べた。「弊社にとって重要なステップであり、中国の金融機関やテクノロジーのプラットフォームの強力なパートナーとなることができる。中国のeコマースと決済エコシステムの成長に貢献することを楽しみにしている」。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

オンライン決済サービスのPayPalがGoPay買収を通じて中国に本格進出

中国人民銀行は、PayPalがGoPay(Guofubao Information Technology Co)の普通株70%を買収することを承認した。これにより、PayPalは中国でオンライン決済サービスを提供する、初の海外プラットフォームとなる。GoPayはオンラインとモバイルの決済を提供していて、主にeコマースやクロスボーダーコマース、航空観光といった業界向けの支払いプロダクトを展開してきた。

Guofubaoの声明文によると、PayPalは上海拠点の子会社Yinbaobao Information Technologyを通じて支配権を収めた。両社ともディールの詳細は非公表としている。

今回のPayPalの中国進出は、米国と中国の間で緊張が高まっている中でのニュースとなる。伝えられているところによると、ホワイトハウスは貿易論争が続いている中で今度は中国企業への投資の制限を検討しているとのことだ。

中国の決済マーケットは現在、モバイルではAliPayやWeChat Payなど電子財布プロバイダーを含む地元企業が主導権を握っているが、まだ成長の余地はある。そこにPayPalは目をつけた。

モバイル決済だけを見ても、マーケットは2023年には2017年から21.8%成長して96兆7300万ドル(約1京374兆円)になると見込まれるとFrost & Sullivanはレポートで述べている。こうした成長を牽引するのが増加しているeコマースの需要だ。またモバイル決済マーケットはクロスボーダー部門でも拡大中だ。特に、eコマース、旅行、海外教育といった分野で利用されていて、2016年の決済額は6兆6600億ドル(約720兆円)だった。

レポートではまた、モバイル決済利用者の総数は2023年までに2017年から5億6200万人増えて9億5600万人に達すると予測している。

昨年、中国中央銀行は海外の決済サービス企業にさらに門戸を開くと述べていた。

金融サービスマーケットの米国企業は長い間、中国参入で苦心してきた。アメリカン・エキスプレスは昨年11月、中国でのクレジットカード精算サービス展開の許可を取得した初の米国カードネットワークとなった。また今年は、マスターカードが中国企業と合弁企業を立ち上げての参入を目論んでいる。

PayPalの買収は、2019年第4四半期にクローズする見込みだが、これはクロージング条件にもよる。

同社の全声明文は以下のとおりだ。

中国人民銀行は、PayPalのGuofubao Information Technology Co普通株70%の買収と、中国における決済事業ライセンスを承認した。中国におけるオンライン決済サービス展開のためのライセンスを取得した、初の海外決済プラットフォームとなったことを光栄に思う。中国の金融機関、そしてテクノロジープラットフォームと提携して、中国とグローバルの両方で消費者や事業者により包括的な決済ソリューションを提供することを楽しみにしている。買収は2019年第4四半期の完了が見込まれているが、クロージング条件にもよる。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)