Freenomeは創業以來2年のスタートアップで、バイオプシーという血液サンプルのDNA解析によるガンの早期発見を目指している。このほど同社は巨額のシリーズAラウンドを成功させた。Andreessen Horowitzをリーダーとするベンチャー・キャピタルのグループが6500万ドルを投資した。このグループは昨年6月に550万ドルの シード資金を投じている。
Andreessen Horowitz以外の投資家はGV、Polaris Partners、Innovation Endeavors、Spectrum 28、Asset Management Ventures、Charles River Ventures、AME Cloud Ventures、Allen and Companyに加えて、さらに最初期からの支援者であるData Collective、Founders Fundだ。
ラウンドAの金額はFreenomeのビジネスが直面する可能性と同時に激しい競争を物語っている。最近、大学や研究機関からリキッドバイオプシーのスタートアップが数多く現れた。こうした会社は患者の組織を採取するのではなく、血液のDNA解析でガンを発見しようとしている。しかしこうした検査は、まだガンの部位、脅威の程度、治療に対する反応などを正確に指摘することができない。
研究者は努力しているし、膨大な資金注ぎぎ込まれているにもかかわらず、リキッドバイオプシーのスタートアップはこうした問題に直面している。
カリフォルニア州Redwood Shoresの創立以來4年になるGuardant Healthではリキッドバイオプシーによる非侵襲的遺伝子解析によるガンの検査に小さい試験管2本分の血液しか必要としない。このGuardant HealthはOribMed Advisors、Khosla Ventures、Sequoia Capitaなどの投資家からこれまでに1億9000万ドルの資金を得ている。
これも創立4年になるカリフォルニア州ベニスのGrailもガンの早期スクリーニングを目的とするスタートアップで、DNA解析の大手、Illuminaからのスピンアウトだ。こちらは17億ドルを調達しようとしているという。この資金はは大規模な臨床試験をスタートするために用いられるらしい(同社は昨年1月にシリーズAのラウンドでIllumina、Microsoftの共同ファウンダー、ビル・ゲイツ、Amazonのファウンダー、ジェフ・ベゾス、それにGVから1億ドルを調達している)。
Freenomeの共同ファウンダー、CEOのGabe Otteは昨年TechCrunchが取材した際に、「われわれわれのテクノロジーは〔ライバルに比べて〕さらに正確な答えを出せる点が大きな違いだ。このテクノロジーは生化学的に〔ライバルとは〕別の部分に着目している。ガンがあるかないかだけでなく、良性か悪性か、どの部位にあるのかについても答えようとしている。つまりガンに関係することが知られている特定の遺伝子の変異だけでなく〔血液中に漂う〕あらゆる遺伝子を担うサンプルを解析する」と述べた。
われわれが取材したとき、 Otteは「Freenomeの検査は数百の例で有効性が確認されている。ただし1億ドルのベンチャー資金を導入するのはテクノロジーが疑問の余地なく証明されてからだ」と述べた。
今回のラウンドAをみれば、Freenomeはテクノロジーの成果に自信を得たようだ。実際、社員25人の小さい会社はであるものの、数千件に上る血液生検を実施し、前立腺ガン、乳ガン、結腸ガン、肺ガンという4分野に関して現行のスクリーニングより優れた結果を得たという。
今後Freenomeは医療としての実用化を目指して大規模なテストに入る。研究のパートナー25組織にはカリフォルニア大学サンディエゴ校、サンフランシスコ校などが含まれる。【略】
Otteによれば、Freenomeは向こう1年間に自社内および提携研究機関で最大1万件の血液生検を実施する予定だという。順調に進めば、その後規制当局に承認を求める手はずとなる。Freenomeではこのテクノロジーがライバルに先んじて、病院に導入される最初のリキッドバイオプシーとなることを期待している。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)