ロンドンを拠点とするスタートアップで、異なる組織間でセキュアなデータ共有をする分散型プラットフォームを提供するInfoSumが、Chrysalis Investmentsが主導するシリーズBで6500万ドル(約71億3000万円)を調達した。
InfoSumは2020年9月にUpfront VenturesとIA Venturesが共同で主導したシリーズAで1510万ドル(約16億5500万円)を調達しており、それから1年経たないうちの調達となった。シリーズA以降にInfoSumは売上を3倍に、従業員数を2倍にし、AT&TやDisney、Omnicom、Merkleなど新規顧客を50社以上獲得した。
コロナ禍でリモートワークやクラウドベースのコラボレーションへの移行を余儀なくされたことが大いに影響して企業がデータのプライバシーに対する関心を強めたことから、InfoSumの成長が加速した。同社のデータコラボレーションプラットフォームは特許取得済みのテクノロジーを使って、データの移動や共有をすることなく2社、あるいは3社以上の企業間で顧客の記録を結びつける。企業はセキュリティに対する懸念を軽減でき、同社によればGDPRなど現行のすべてのプライバシー関連法を遵守しているという。
2021年前半にInfoSum Bridgeを公開したことで、同社のプラットフォームは強化された。InfoSum Bridgeは顧客IDをリンクする同社プラットフォームの機能を大幅に拡張する製品だという。広告識別子を独自に「蓄積した」データセットと関連づけ、ファーストパーティデータに基づく広告ターゲティングの運用を向上させるように設計されている。
InfoSumの会長でCEOのBrian Lesser(ブライアン・レッサー)氏は「企業が安全でセキュアに顧客データを比較できるテクノロジーは、プライバシーを気にする消費者と価値やコントロールを重視する企業のおかげでありがたいことに新しい段階に入っています。InfoSumはこの流れをリードしていることを誇りに思っています。企業はデータのコラボレーションに関する現在のフリクションや非効率性を解決するソリューションを求めています。InfoSumはこの発展を前進させる企業です」と述べた。
InfoSumは企業がプライバシーを重視するツールやソフトウェアを引き続き求めることから2021年に「急成長」する状況が整っているとし、今回の資金ですべての部門の人材を増やし、新たな地域へ進出し、プラットフォームの開発をさらに進める。
以前にビッグデータのスタートアップであるDataSiftを創業して率いたNick Halstead(ニック・ハルステッド)氏が、世界中のデータを共有せずに結びつけるというビジョンを持って2015年にInfoSumを創業した(創業当初の社名はCognitiveLogic)。米国、英国、ドイツに展開しているオフィスに現在80人の社員がいる。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:InfoSum、資金調達、プライバシー、GDPR
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(文:Carly Page、翻訳:Kaori Koyama)