以前に「Instrument 1」というギターのネックのような形の音楽デバイスで100万ドル(約1億900万円)以上をKickstarterで調達したスタートアップのArtiphonが、最新のデバイス「Orba」のクラウドファンディングを開始した。
共同創業者でCEOのMike Butera(マイク・ブテーラ)氏は、Instrument 1とOrbaは同じDNAを持っていると語る。そのDNAとは、トレーニングや経験にかかわらず、誰もがもっと簡単に音楽を作れるようにしたいという考えだ。
ブテーラ氏は筆者に対し「初心者に自分はまるでプロになったようだと感じてほしいが、同時にプロに自分はまるで初心者に戻ったようだとも感じてほしい。これは、私たちがそれを実現するための次の一歩だ」と述べた。
OrbaはInstrument 1(この製品も引き続きサポートされる予定だ)よりも小さく、価格も手頃だ。そしてソフトウェアなしで楽しめることが増えている。ブテーラ氏は「楽器にできることを徹底的にシンプルにした」と表現する。
Orbaは手のひらにおさまる丸いデバイスだ。Artiphonのチームは、ゲームコントローラ、そしてグレープフルーツや味噌汁のお椀をイメージしたという。
デバイスの上面はわずか8つのタッチパッドに分かれていて、操作はシンプルだ。しかしOrbaにはドラム、ベース、コード、リードのモードがあり、その上、さまざまな触れ方やモーションセンサーを利用できるため、タップしたり手のひらでたたいたり振ったりしてバラエティ豊かなサウンドを作り出せる。
Orbaに内蔵のシンセで演奏するだけでなく、Orbaアプリや、GarageBandなどの音楽ソフトと接続することもできる。
Artiphonは来年4月に最初のOrbaデバイスを出荷する計画だ。価格は最終的には99ドル(約1万800円)の予定で、Kickstarterのアーリーバードで設定された79ドル(約8630円)の分はすでに終了した。この日本語版記事公開時点では、Kickstarterの支援に対するディスカウント価格として89ドル(約9720円)が設定されている。同社はこのクラウドファンディングで5万ドル(約550万円)の調達を目指している。
Artiphonは今年3月にシードラウンドで資金を調達したが、それにもかかわらずクラウドファンディングを利用している理由について、ブテーラ氏は「このクラウドファンディングは我々に合う投資家を見つけるためではなく、我々に合う顧客を見つけるためのものだ」と説明している。
同氏はさらに「プロダクトデザイナーが顧客に対して直接責任を持つことにもなると思う」と述べた。
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(翻訳:Kaori Koyama)