トルコが再び、ソーシャルメディアへのアクセスをブロックした。政府への抗議を封じることが目的と思われる。反政府勢力のリーダーたちの多くが逮捕され、その直後から、トルコの首都やそのほかの都市などで抗議のデモが相次いでいたのだ。
Turkey Blocksの報道によると、Twitter, Facebook, WhatsApp, そしてYouTubeがブロックされ、あるいはアクセス不能にまでトラフィックを絞られたようだ。封鎖は昨晩始まり、今も続いているらしい。今週初めに政府は、一部の地域で、インターネットアクセスの全体を数日間ブロックした。
Turkey Blocksが本誌TechCrunchにくれたメールには、その状況が書かれている。中小のISPたちはブロックをやっていないようなので、南東地域の広範なブロックには、あまり公式ではない方法が使われているようだ、という。
国務省が国内の不穏と、各地で計画されている抗議活動に関して警告を数回発行した:
[旅行者向け警告]
今トルコにいる人や、トルコに知人がいる人のために、ブロックを回避する方法をいくつかご紹介しよう:
Torをインストールする
Torすなわち“The Onion Router”*は、あなたのトラフィックを何箇所もの匿名サーバーに中継させて、あなたの本当のIPアドレスが分からないようにする。無料でインストールもやさしいが、多段中継のため遅くなるから、ストリーミングビデオなどにはおすすめできない。匿名性が重要な人にとってはTorは役に立つが、日常のWeb閲覧のためには、ここに挙げるほかの方法を使おう。〔*: Onion Router, 玉ねぎのように、剥(む)いても剥いても芯(本人)に到達しないので、Onionと呼ばれる。〕
Torを使ういちばん容易な方法は、ブラウザーバンドル(ブラウザー同梱)をインストールすることだ。必要なものがすべて揃っており、多くのオペレーティングシステムに対応している。
Android上では、OrbotやOrfoxが同様の機能を提供しており、しかも無料だ。
これは、トルコ語で書かれているTorとOrbotの使い方ガイドだ。
VPNやプロキシを使う
VPN(Virtual Private Network, 仮想プライベートネットワーク)はあなたのトラフィックを、世界中の他の場所にあるサーバーを経由させ、ある種の検閲やブロックを迂回する。VPNプロバイダーは数が多く、本誌TechCrunchには特定のプロバイダーを推薦できないが、少し調べるとあなたのニーズや予算に合ったのを見つけられる。
以下は、人気のある有料のVPNサービスだ:
以下は、無料または広告入りだ:
VPNはトルコの人たちが通信管制の間にソーシャルメディアにアクセスするためによく使われている。上記Hotspot Shieldによると、政府によるブロックの直後の2時間でトルコでの新たなインストールが322%増加した。
もっと穏やかな方法を求める人には、Lanternはどうだろう? このサービスはあなたのトラフィックに、目的のサイトがブロックされていない地域を経由させる。そういうプロキシが必要なければ、何もしない。ブロックされそうなトラフィックだけを迂回させるのだ。
DNSを変える
Webサイトの名前(facebook.comなど)をそのIPアドレス(66.220.144.241など)に変換して、実際の通信を可能にするDNS(Domain Name System)は主にISPのところにあり、これを不能にすれば大規模なブロックが一挙に実現する。それをやられてしまったら、デフォルトのDNSを、GoogleのPublic DNSや、OpenNICのものに変えるとよい。そういう独立のDNSは、ブロックされずに生き残っていることが多い。
ピアツーピアのメッセージング
通常のメッセージングアプリ、Facebook Messenger, WhatsApp, LINEなどが使えなくなったときのために、FireChatをあなたのスマホに持っておくとよいだろう。FireChatはそれらの通信サービスのサーバーにアクセスせず、スマホ同士のピアツーピア(peer-to-peer, 同格者同士の横々つながり)のネットワークを作る。意図的な妨害や広範囲な停電などでモバイルサービスが破壊されても、人びと同士がコミュニケーションできる。
アプリを変える
有名大手サービスのアプリがブロックされても、類似サービスは生きていることがある。たとえばTwitterがダウンしても、Tumblrは無事かもしれない。ビデオをYouTubeにアップロードできないならDailyMotionを使ったり、あるいはあなたのDropboxのアカウントの、一部のフォルダを公開すればよい(Dropboxはビデオのストリーミングを勝手にやってくれる)。すべてのインターネットアクセスをブロックすることは不可能だから、生き残っているサービスやアプリは必ずある。