古いIEでも無事動くか?–Webサイトの互換性テストサービスmodern.IEをMicrosoftが立ち上げ

modern-ie-logo

Microsoft自身がいくら変えたいと思っていても、いまだに古いバージョンのInternet Explorerを使っている人は多い。そのためデベロッパは、自分のWebアプリケーションが、たとえばIE7やIE8で無事に動くよう、テストや手直しに余計な時間をかけなければならない。IE9とIE10は、Microsoftが懸命にHTML5やCSS3などの標準規格の忠実な実装に努力した。そして、今や古いIEの問題を自覚した同社は、“デベロッパが自分のサイトをInternet Explorerとそのほかの現代的ブラウザで確実に動くようにするための努力を容易にするために”、modern.IEと呼ばれるツール的サイトを今日(米国時間1/31)ローンチした。

MicrosoftのInternet Explorer担当ゼネラルマネージャRyan Gavinが昨日ぼくに語ったところによると、modern.IEにはいくつかの無料のツールとリソースが含まれていて、たとえばスキャナーは、サイトを現代的なブラウザやレガシーのIEに対して非互換にしかねない、よくある問題をチェックする。そのスキャナーは、デベロッパが使ったライブラリやフレームワークにある、よくありがちな問題を、個々のページごとにチェックする。そして対策を推奨し、またそのフレームワークのどのバージョンなら互換性が高いかをアドバイスする。たとえばjQueryならどれ、とか。

Microsoftは、この、ライブラリやフレームワークの問題が意外と大きいことを知った。上位5000の繁盛サイトの40%以上が、古いバージョンのフレームワークやライブラリを使っていて、そのことがIEの最新バージョンやそのほかの現代的ブラウザとの非互換性を招いている。また、これら5000のサイトの20%はベンダ固有のプリフィクス(-moz、-ms、-webkit、などなど)を使っていて、それも非互換性の原因になっている。これらのサイトの大半がブラウザ検出を用いており、しばしば、IE9やIE10と非互換なサイトをサーブしている。彼らは、IEのこれら新バージョンがもはや、レガシーのブラウザとは呼べないものであることを、認識していない。

また、スキャナーにかけることによってばれて欲しくないサイト固有の問題を抱えるところでは、Microsoftとデベロッパが直接協力して対策に当たる。

modern.IEにはこのほか、jQuery Foundationの理事長Dave MethvinとMicrosoftのテクニカルエヴァンジェリストRey Bangoが書いた20のベストプラクティスチップや、MicrosoftがBrowserstackとの提携で来年全デベロッパに提供する3か月の無料サービスの告知などがあり、デベロッパたちはここで、自分のサイトが多種類のブラウザとオペレーティングシステムの上でどう見えるかを、容易に知ることができる。modern.IEのユーザ登録は、Facebookの認証情報でできる。また、BrowserstackのChrome用とFirefox用のプラグインもあり、それを使うとMacやWindows、Linuxなどの仮想マシンイメージに対してサイトを手早くテストできる。WindowsとIEの古いバージョンでのテストを、デベロッパがローカルに行うことも可能だ。なおBrowserstackはとても便利なツールであり、その上で、ブラウザの種類とオペレーティングシステムの種類、そのどんな組み合わせでもテストできる。

Gavinによれば、modern.IEの中心的な目的は、あくまでもレガシーブラウザに対するテストだ。IE9よりも前のいわゆるレガシーバージョンのInternet Explorerが、デベロッパを苦しめたことを、彼も認めている。Gavin は今日のブログ記事で、“modern.IEは、デベロッパがテストに費やす時間を少なくし、すばらしいサイトの構築に多くの時間を割けるようにするための、弊社のこれからの継続的取り組みの、一環にすぎない”、と述べている。

modern-ie-tc-test

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))