キーボードについて、とてもうるさい人間がいたら、そいつはプログラマだ。
職業としてプログラマである人は、毎日大量にキーをタイプする。それは、膨大な量だ。だから、テキストエディタやインプットメソッドに関しては何十年も前から激しい論争が絶えない。Vi派vs.Emacs派、とか。
だから、一人の著名なプログラマが自分用のキーボードを自作したとしても、それほど不思議ではない。
プログラマのための人気絶大なるQ&AサイトStackOverflowの協同ファウンダでブログCoding Horror〔仮訳: プログラミング怪談〕の筆者Jeff Atwoodが今日(米国時間8/27)、彼がこれまでの1年半取り組んできたプロジェクトを公開した。それは、CODEと名づけたキーボードだ(彼の好きなプログラミングに関する本の書名と、そしてもちろん’code’〔名詞: コード、動詞: コードを書く、プログラミングをする〕という単語が命名の由来だ)。
実物を伴うプロジェクトにするためAtwoodは、WASD KeyboardsのWeyman Kongの協力を求めた。彼は、キーボードのオーダーメードを仕事にしている職人さんだ。
Atwoodは、キーボードを自作する気になった動機を次のように説明している:
初めて自分のコンピュータを買ったときから、ぼくはキーボード教の信者にならされてしまった。それで良かったとは思わない。ほとんどの人が、ぼくと同じ気持ちだろう。今世界中に、ひどいがらくたのような安物キーボードが氾濫している。優れたメカニカルキーボード*は世の中に10数種類ぐらいある。ぼくも高価なメカニカルキーボードを6つ以上は持っているが、どれにも満足していない。バックライトがないし、醜いし、デザインも悪いし、メディアキーがないなど機能的に不十分なのもある。
〔*: 参考ビデオ。〕
しかし彼のCODEキーボードは、見た目にはふつうのキーボードだ。世界中の汚い古いコンピュータ教室にある骨董品的キーボードにも、見えるかもしれない。いや、実際にこれは、意図的にそうなのだ。昔日のコンピュータの復元、毎日一日中タイプする人だけに価値が分かる、細かい工夫と配慮の数々。
- メカニカルキースイッチ: 昔のキーボードのキーは、押すとカチッという快適な音がした。それが、メカニカルスイッチだ。コストや製造技術の問題で、やがて見捨てられてしまったが。
- バックライト: バックライトがあってメカニカルなキーボードは見つけるのが困難だったが、今ではメジャーなキーボードメーカーの多くが二つのうちどちらか一つのある機種を少なくとも一機種は提供している。CODEには、二つともある。バックライトの明るさは、ゼロ(無)から最大まで7段階コントロールできる。
- キーの交換と配列(QWERTY、Dvorak、など)の変更が簡単にできる。キースイッチを壊す心配はない。
- 配列の変更はキーボードの裏面にあるDIPスイッチでできる。このスイッチでほかに、Windowsキーの無効化、Mac用にCMD/ALTの入れ替え、Caps Lockと左Ctrlの入れ替え*、などができる。
- メディアキー(Play、pauseなど)はナビゲーションキーの二次機能として提供: [Fn][Insert] == [Play/Pause]、[Fn][PageUp] == [VolumeUp]、など。
- 104キー型と87キー型がある(後者はテンキーがない)。テンキーがあるとマウスが遠くなる、という不平もあるため。
〔*余計な訳注: Linuxでは構成ファイルのエディティングでこの入れ替えをやりました。〕
簡単に言うとこれは、これまでに、たぶんぼくとあなたの合計よりも多くタイプしてきた男の、夢のキーボードだ。
これまで単独でキーボードなんか買ったことのない人にとっては、150ドルは高いかもしれない。でも、メーカー製品でも、バックライト付きのメカニカルキーボードだと、これぐらいだ。たとえばLogitechのG710は150ドル、RazerのBlackWidowは139ドルだ。
Atwoodがこのキーボードについて書いたブログ記事が、ここにある。
[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))