スニーカーの巨大マーケットプレイス「StockX」の鑑定プロセスと今後の戦略

Joshua Luber(ジョシュア・ルーバー)氏は、企業評価額10億ドル(約1080億円)のスニーカー帝国「StockX」の共同創業者だ。これは「本物を適正な価格で売り買いできる」ことがセールスポイントのスニーカーのマーケットプレイスとして急成長したが、ルーバー氏によればまだ「ほんの入口にたどり着いたに過ぎない」という。

消費者自身も売り手になってブランド商品を取引できるマーケットプレイスはこのところ急成長している。StockXも最近5番目のカテゴリーとしてコレクター向けアイテムを集めた「コレクティブル」を追加した。「いわば、eBayの進化した姿で、株式市場に似た仕組みでアイテムの価格を決定する。StockXの核心は、適正な市場価格の発見だ」と同氏は言う。

我々(Burns, Cao)は、StockXの1400平方mにもおよぶデトロイトの鑑定センターを訪れ、鑑定プロセスを見ると同時にLuber氏からも話を聞くことができた。

以下は、Matt Burns(マット・バーンズ)記者のインタビュー概要だ、

Matt Burns(MB):StockXの本質は何か?

Josh Luber(JL):我々はeBayの進化形態で、売り手と買い手を結びつけてマーケットプレイスを作ることだ。ただし我々は株式市場が株価を決定するメカニズムを参考にして、スニーカーであれ他のアイテムであれ、適切な市場価格を発見する。

MB:この施設では何が行われているのか?

JL:売り手が発送したスニーカーやカジュアル衣料はまずここに来る。ここでは検品と鑑定が行われる。朝届いた商品はその日のうちに処理される。

MB:鑑定には特別な資格が必要?

JL:理論的には誰でもできるようになる。しかし毎日たとえばスニーカーばかり何百足も鑑定するわけだから、やはりその商品に対する愛着がないと難しい。

スニーカー鑑定部門責任者(SAC):まず箱をチェックする。次に書類がそろっているか確認する。スニーカーを箱から取り出して正しい一足になっていることをチェックする。左ばかり2つとか左右ばらばらとかでないことを確かめる。スニーカーの外観を360°観察し、続いて細部をチェックする。

MB:特に注目する部分は?

SAC:スニーカーのモデルによっていろいろだがステッチはしっかり見る。最後ににおいを嗅いでみる。売り手によってはタバコやペットの臭いが残っていることがある。納得がいったら鑑定済みのタグを取り付ける。

MB:ニセモノだったらどうするのか?

SAC:売り手はニセモノだと知らずに売りに出すことが多い。「これはニセモノだ」という鑑定結果をつけて売り手に送り返している。

MB:StockXの今後の戦略は?

JL:1つはユーザーの拡大だ。いままで中古品を売り買いすることを考えなかった層にもStockXを拡大したい。もうひとつカテゴリーの拡大だ。既存のカテゴリーに出品されている中にレアもの、限定アイテムなどがよく含まれていた。そこで自然の成り行きとしてコレクティブルというカテゴリーを新設した。スター・ウォーズやGIジョーのおもちゃなど有望だ。

MB:スニーカー帝国を運営するようになってもやはり個人的にスニーカーが好きか?

JL:実は好きだ。気づいてみると(StockXをスタートしたときすでに著名なスニーカーのコレクターだったが)、さらにたくさんスニーカーを買っている。

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滑川海彦@Facebook