仙台市と東北大学がKaggleを用いAI・データサイエンスの実践スキルの習得を目指す講座を開講、受講者募集開始

仙台市と東北大学がKaggleを用いAI・データサイエンスの実践スキルの習得を目指す講座を開講、受講者募集開始

宮城県・仙台X-TECH推進事務局は、東北大学大学院情報科学研究科と連携し「データサイエンス・トレーニングキャンプ」をオンライン開催(Zoom)すると発表。受講者の募集を開始した。受講者募集期間は2月14日12:00まで。開講日程は、2月24日から3月12日。修了時には、東北大学大学院情報科学研究科による修了証が授与される。

これは、AIを用いたデータ分析の手法とデータサイエンスの実践スキルを学ぶための講座だ。仙台X-TECH推進事務局は、仙台市をフィールドに、最先端IT技術と様々な産業を掛け合わせたX-TECH(クロステック)による新事業創出を推進しており、AI関連ビジネスが持続的に生まれるエコシステム「AI-Ready都市・仙台」を目指す「仙台 X-TECHイノベーションプロジェクト2021」の一環として開催する。

募集対象者は、仙台または東北に本社や事業拠点を置く企業や団体に所属する個人で、これまでに仙台X-TECHイノベーションプロジェクトのプログラムやワークショップに参加したことのある人、AIやデータサイエンスに関心の高いエンジニア(経験はスキルは不問)、またはAIビジネス創出を支援するITベンダーのエンジニア(プログラミング未経験でも可)のいずれかに該当する者となっている。

講師は、東北大学大学院情報科学研究科教授の中尾光之氏と、同研究科准教授の山田和範氏。

AIコンペティション・プラットフォームKaggleから厳選したプロジェクト2つにおいて、参加者間で3名程度のチームを組成の上、前半(Day 1〜5)、後半(Day 5〜9)それぞれハンズオン講義+チーム活動にてビッグデータ分析を通した課題解決に取り組む。

概要

  • 開講日程:2月24日〜3月12日
  • 会場:Zoomによるオンライン開催
  • 受講者募集期間:2022年2月14日12:00まで
  • 募集人数:20名(応募多数の場合は抽選)
  • 参加費:無料

申し込みは、特設サイト「東北大学 x 仙台市 データサイエンス・トレーニングキャンプ」より行う。

ザトウクジラの尾びれ写真から個体を見分けるAI自動識別システム開発、Diagence・阪大・慶應・沖縄美ら海財団で実用化へ

ザトウクジラの尾びれ写真から個体を見分けるAI自動識別システムを開発、Diagence・阪大・慶應・沖縄美ら海財団で実用化へ

コンピューター技術をベースとした企画プロデュースを行うスタートアップ「Diagence」(ダイアジェンス)、大阪大学サイバーメディアセンター慶應義塾大学沖縄美ら海財団からなる研究グループは2月4日、ザトウクジラの尾びれの写真から個体を自動的に識別するAIシステムを開発した。ザトウクジラ研究者の個体識別に関する知見を取り込んだAIアルゴリズムシステムで、尾びれの写真を入力すると、登録されているクジラから特徴の近いものがリストアップされる。

捕鯨によって数が激減したザトウクジラは、保全のための研究が行われているが、その生態を把握するためには個体の識別が重要となる。ザトウクジラの個体識別には、撮影した尾びれ尾びれ写真をもとに、尾びれ先端のギザギザした形状と、尾びれ裏の模様が使われる。この写真については毎年400〜500枚が新たに撮影・追加されており、人の手によって識別するのは何カ月も要する大変な作業となっている。コンピューターを使って自動化させたいニーズは世界中の研究者が持っており、有名なデータ分析コンペティションKaggleでも題材として取り上げられるほどであるが、これまで実際に用いられているものはなかったという。

現在、沖縄美ら海財団では、30年以上にわたり収集してきた1850頭・約1万枚にのぼるザトウクジラの尾びれの写真があるものの、全写真のうち79%は1頭あたりの写真が3枚と少なく、光の具合、距離、角度などによって条件が異なり、形状や模様の判別が難しい状態にあった。さらに35%のクジラには、尾びれ裏に模様がないなど、人の目で識別を行う上でも困難が多い。

そこで研究グループは、深層学習や図形処理を用いて尾びれの形状を正確に切り抜き、そのギザギザ形状の特徴をベクトル化して尾びれの特徴を抽出する方法を編み出した。これによって特徴が抽出された新しい写真は、既存のものと照合され、近いものがランキング形式でリストアップされる。2016年に撮影された写真中の、過去に登録されている323枚について処理を行ったところ、89%が、上位30位までに正しいクジラが入っていた。また76%は、1位に正しいクジラがランクされた。

Diagenceは、このシステムを、ザトウクジラの研究を行っている世界の研究機関に普及させて、「自然科学研究の進展に貢献する」ことを目指すという。また同様の手法を使い、他分野の専門家の知見をAIシステムに落とし込むことで、他分野への応用も目指したシステムやサービスの開発を進めるとしている。

Diagenceは、コンピュータサイエンス領域の国立大学教授2名および教員1名、代表取締役である菅真樹氏の計4名が2019年1月に設立。このうち大学教授と教員はコンピュータサイエンス領域や人工知能領域で国際会議などで多くの業績を上げている研究者という。菅氏は、大手コンピュータメーカー研究職でコンピュータサイエンス領域の研究に10年以上従事した後、スタートアップCTOを経て、研究開発スタートアップを創業。受託研究開発や国家研究プロジェクトに携わる現役研究者であり、先端技術の事業化に取り組んでいるという。

東進のアンケートで中高生の8割以上がプログラミングは必要なスキルと認識していると判明、競プロやKaggleに取り組む中1も

東進のアンケートで中高生の8割以上がプログラミングは必要なスキルと認識していると判明、競プロやKaggleに取り組む中1も

東進ハイスクールや東進衛星予備校を運営するナガセは2021年12月29日、東進が実施している「全国統一高校生テスト」と「全国統一中学生テスト」に関連するアンケート調査(2021年10月・11月。10万7450人に調査)で、中高生の8割以上が「プログラミングは必要なスキル」であると認識していることがわかったと発表した。また、「プログラミングができる」と答えた中学1年生は半数を超えていた。

「プログラミングが今後必要なスキルになると思うか」との問いに対して、「とても思う」「そう思う」と答えた生徒の割合は、中学生全体で87.3%、高校生全体で86.0%だった。中学1年生は82.2%なのに対して、高校3年生は86.6%と、全体的に学年が上がるほどプログラミングの重要性を感じていることがわかる。

東進のアンケートで中高生の8割以上がプログラミングは必要なスキルと認識していると判明、競プロやKaggleに取り組む中1も

また、「どの程度プログラミングができるか」との質問に対しては、競技プログラミングやKaggle(カグル)に取り組むレベルから、助けを借りてマウス操作のプログラミングができるという初心者レベルまでの合計の割合が、中学1年生の55.3%がもっとも多かった。学年が上がるにつれてなんらかの形でできると答えた割合が減っているのだが、これは学校でのプログラミング教育の変化に対応している。

2020年度から小学校でプログラミングが必修科目になったことから、現中学1年生は小学校でプログラミング教育を受けている。中学校では2021年度からプログラミング教育が始まっており、高校は2022年度から必修化が予定されている。アンケートの結果は、それにきれいに即した形となった。

大学入学共通テストにも追加され、国立大が試験科目に加える方針を示しているため、プログラミングへの関心はますます高まるものと考えられるという。

東進のアンケートで中高生の8割以上がプログラミングは必要なスキルと認識していると判明、競プロやKaggleに取り組む中1も