技術者がいなくても文書処理をAI化できるノーコードプラットフォームのLang.aiがシードで2.1億円調達

企業のためのノーコードプラットフォームを開発したLang.aiが、200万ドル(約2億1000万円)のシードラウンドを完了した。

企業ユーザーは、同社のSaaSプラットフォームとドラッグ&ドロップのインタフェイスを利用して、AIが抽出したコンセプトに基づき、自由形式のどのようなテキストデータでも、指定したカテゴリーに分類することができる。

Village Globalがこの投資をリードし、新旧の投資家としてAccelepriseやOceans Ventures、Alumni Ventures Group、2.12 Angels、GTMFundそしてLorimer Venturesらが参加した。

2018年、スペイン生まれのJorge Peñalva(ホルヘ・ペナルバ)氏は「どのような企業でもエンタープライズ級の自然言語処理モデルを数分で作ることができる」を目標に、Lang.aiを創業した。Lang.aiでは、非技術系のユーザーでも、顧客サービスや苦情処理などのユースケースにおいて反復的なタスクを自動化できる。ペナルバ氏によると、同社のクラウドでもユーザー企業のクラウドでも、どちらにもインストールできるという。

Lang.aiの売上は、2020年最後の四半期から2021年最初の四半期にかけて倍増し、シード資金は主にその勢いを維持するために導入した。「大企業の顧客からはプロジェクトでの需要があるため、それに対応するためには資金が必要だった」とペナルバ氏は語る。

以前、SéntisisのCEOだったペナルバ氏は、無構造の自由テキスト形式のデータの処理が、多くの企業にとって盲点であることをよく知っていた。「今日では、企業のさまざまなところで発生するテキスト情報を読んだり処理したりすることに、膨大な経費と時間がかかっています。Lang.aiのミッションは、『企業が、自前のアルゴリズムを作り、訓練する際の技術的な障壁がない状態でAIの活用能力を持てるようにする』ことです」とペナルバ氏はいう。

ペナルバ氏によると、Lang.aiのプロダクトは顧客の過去データを「ほんの数分で」読み、AIが抽出したコンセプトを提案して、企業独自のカテゴリーをドラッグ&ドロップのインターフェイスで作る。そのカテゴリーはリアルタイムで適用され、手作業によるタグづけやサポートチケットの配布、保険の請求の処理、次々と入ってくる作業オーダーに応じた現場技術者の派遣といった面倒なタスクを自動化する。つまりLang.aiの目標は、AIを企業が実装するときの技術的な重荷を取り去ることだ。

Lang.aiのユーザーコミュニティは「Citizen NLP Builders(市民的自然言語処理作者)」と呼ばれ、カスタマサービスやマーケター、アナリスト、UXのデザイナーなど、非技術系のビジネスユーザーが主体だ。主な顧客はFreshly、Userzoom、Playvox、SpainのCaixaBank、Yalo Chat、Bancolombiaなどとなる。

Freshlyのインフラストラクチャ担当ディレクターであるBen Segal(ベン・シーガル)氏は、「このプラットフォームは、頭の回転が速い」と形容する。「インストール後の2日間でタグづけをすべて自動化できたが、それは、それまでの2年間使っていたプラットフォームに比べて信頼度が15%も高い。しかもチーム全員がサポートデータを利用できる。マーケティングのチームはワークフローを作っており、顧客の重要な時間を理解する。またデータと分析のチームは、Snowflakeの新しいタグを喜んでおり、しかも使いやすい」。

ペナルバ氏は、Lang.aiの技術者チームが主にスペインにいること。そして、わずか10人であるにも関わらず母国以外でも利用される企業に育てたことを誇りに思っている。「わずかな人数で、しかも2年とちょっとで、エンタープライズ級のプロダクトを開発し、そのビジョンにふさわしい初期の顧客と投資家を見つけることができました。グローバルな企業にするために、スペインから米国に移りましたが、それは始まりにすぎません。Lang.aiは常に、移民のみなさんの力を借りています。それが当初からの我が社の価値です」とペナルバ氏はいう。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Lang.ai資金調達ノーコード

画像クレジット:Lang.ai

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Hiroshi Iwatani)