MicrosoftのAzure担当CTOで(ときどき小説家の)Mark Russinovichは、マイクロサービスを強烈にプッシュする。彼によると、エンタープライズアプリケーションも含めて大半のアプリケーションが、やがてマイクロサービスを使って構築されるようになる。このところさまざまなクラウドサービスやデベロッパーツールを商材としているMicrosoftも、当然その市場に食い込みたい。そこで同社はService Fabricと呼ばれるサービスおよびツールでもって、マイクロサービスベースのアプリケーションの、より容易な運用を支援しようとしている。これまでService FabricはWindowsのみだったが、9月26日からはService FabricのLinux用インストーラーを公開ベータで提供する。
Russinovichの説明では、Microsoft自身は社内的にマイクロサービス方式を7年前から使っている。クラウドが今のようにメジャーな存在になると、それは小さな企業でも十分使える技術だろう、と彼は言う。“マイクロサービスとクラウドは車の両輪だ”、そうだ。クラウドを利用すればマシンを一瞬にして立ち上げることができる。その上にマイクロサービスの層を置けば、アジャイルな開発が前よりもずっと容易になる。マイクロサービス方式なら、アプリケーションの全体やそのほかのパーツにさわることなく、目的のコンポーネントだけをアップデートできるからだ。
“10年近く前に開発されたService Fabricは、Windowsと.NETが舞台だ。しかし最近ではますます多くの顧客が、アプリケーションの構築方法に関して、どこでも、そしてどんなオペレーティングシステムの上でも使えるプラットホームを求めている”。
Servic FabricはMicrosoftが長年社内で使ってきただけに、実戦で鍛えられ、機能も完備している。Russinovichが強調するのは、Microsoftのこれまでの体験を通じて、ロールバックやバージョニング、自動治癒などの機能を導入してきたことだ。“これのアクセス性を広げることによって、マイクロサービスを一層普及させたい”、と彼は語る。
スタンドアロンのLinuxインストーラーにより、ユーザー(主にオペレーター)はService Fabricを使って、オンプレミスやハイブリッド、あるいはマルチクラウドの、マイクロサービスのデプロイを管理できる。
Linuxへの移行に伴いMicrosoftは、コマンドラインのツール一式と、EclipseおよびJenkinsのサポートをデベロッパー向けに提供する。“われわれの究極の目標は、デベロッパーが自分の選んだOSの上でService Fabricのアプリケーションを構築でき、それらをどこででも動かせるようになることだ”、とRussinovichは今日(米国時間9/13)の発表声明に書いている。