MatterFabは、金属による3Dプリントをもっとスケーラブルに、そしてもっとその敷居を低くしたいと願っている。そのために同社は575万ドルを調達して、その3Dプリント技術を磨き上げ、そのプリンタを一般の工場などに売り込んでいきたい、と考えている。
MatterFabの3Dプリンタは、製造業の企業が部品などを、従来の工作機械を使う方法よりも安上がりに、そしてより容易に作れることを目指している。それにより部品のコストを下げるだけでなく、部品等のもっと自由な設計ができるようになる。
今回のシリーズAの資金調達ラウンドを仕切ったのはGE Venturesで、これにInnovate Indiana Fundが参加した。同社はこの前、ハードウェアインキュベータのLemnos Labsから資金をもらったが、プロトタイプの磨き上げなど、スタートアップ立ち上げの初期的な過程はこのインキュベータの支援のもとに行った。
GEは、メーカー企業として内製部品の3Dプリント化を目指しているため、その関心からこのたびMatterFabに投資をした。昨年の本誌TechCrunchの記事は、こう書いている:
MatterFabのCEO Matt Burrisは、子どものころ父親がインディアナポリスでCNCマシンのショップ〔shop, 製作所, 小工場〕を経営していた。そのショップは主に航空宇宙産業向けの機械部品を作っていたが、約3年前からGEが、そのショップが作っていた部品を3Dプリントで作るようになった。
今回の資金は、MatterFabのマシンの可利用性アップに充てられる。GEのようにメタル3Dプリントを本格的に導入しようとしているところでは、それは、早ければ早いほどよい。
“ほかにも、いろんなパーツを開発中だからね”、とGE VenturesのシニアディレクターSteven Taubは言っている。彼によると、GEは加成的製造技術(additive manufacturing, 3Dプリントのこと)による製品の差別化をねらっている。
MatterFabの金属3Dプリンタで作られるパーツは十分な強度があるだけでなく、とくにGEが惹かれたのはその柔軟性(自由度の高さ)だ。3Dプリンタのハードウェアの設計はオープンであり、サードパーティのアプリケーションにも対応、そしてユーザ企業がすでに現場で使っているデベロッパツールとの相性も良い。
MatterFabはこの資金を技術部門に投資して、同社の3Dプリンタの商用生産の開始を早める。そして来年後半には、3Dプリンタを顧客であるメーカー企業に届けたい、としている。