ドイツを本拠とする医薬・化学品の世界的巨大企業、メルクは、今朝(米国時間1/12),、シリコンバレーの著名なデータ解析ソフトウェア企業、Palantirと提携したことを発表した。メルクはこれにより新薬開発を加速し、患者に対する薬効も改善されることを期待している。
この提携はまずヘルスケア、生命科学、パフォーマンス改善物質というメルクの3つの重要な事業分野で実施される。
TechCrunchはPalantirのサイトでの提携発表にリアルタイムで参加することはできなかったが、同社の共同ファウンダー、CEOのアレックス・カープは声明で 「世界で毎年ガンで820万人もの人々が亡くなっている。Palantirは発足当初から適切なパートナーを助けてガンとの戦いにわれわれのテクノロジーとノウハウを活かしたいと考えていた」と述べている。
Palantirは財務面も含めて提携の詳細について明かしていないが、同社を動かしているのはもちろん人類愛だけではない。この提携によって新たな薬品の開発が加速し、あるいは投薬の効果的なノウハウが得られるなら両社にとって巨大な利益をもたらすはずだ。
TechCrunchでは今日の午後、PalantirのカープあるいはメルクのCEO、Stefan Oschmannからもっと詳しい話を聞けるものと期待している。特に確認したいのはPalantirがメルクと提携が排他的なものであるかどうかだ。われわれはPalantirのソフトウェアをBristol-Myers Squibbなど他の製薬会社が利用できないことになるのではないかと予測している。
Palantirにとっては大きなビジネス上の達成といっていいだろう。比較的小規模な非公開企業にしては評価額がきわめて高いことで知られているPalantirだが、顧客がアメリカ政府だけに限られないことが証明されただけでなく、この提携が成功すれば医薬品という巨大なマーケットに影響を与えることになる。Bloombergによれば、肺がんだけで毎年100億ドルの市場だという。
〔日本版〕 Palantir CEOのアレックス・カープは昨年トランプ次期大統領とテクノロジー企業のリーダーとの会談に参加している。またトランプ政権移行チームの重要メンバー、ピーター・ティールはPalantirの共同ファウンダーでもある。この会談については今日のTechCrunchのAmazonの記事に詳しい。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)