中国のスマートフォンメーカーXiaomiのアメリカ市場進出は、かなり前から期待されていた。でも、待つのはもう終わりのようだ。本誌が得た情報によると、Xiaomiは同社の主力製品の一つであるAndroidセットトップボックスを、早ければ来月、アメリカで発売する。
そのMi Boxと呼ばれる製品は、5月のGoogle I/Oで発表とデモが行われたが、その後同社は、発売時期等に関して沈黙を守ってきた。しかしXiaomiの内部情報筋によると、“2016年Q4の早期”には、アメリカといくつかの選ばれた市場で一般消費者向けに発売される。具体的には、10月だ。
価格もこれまで秘されていたが、どうやら100ドル未満らしい。
Xiaomiは、コメントを拒否した。
その製品はApple TVによく似ているが、Androidで動く。最高性能は60fpsの4K、オーディオはDolby Digital Plusをサポートしている。さらにHDMI 2.0aに対応、ARMのクァッドコアプロセッサー、Mali 450 GPU、RAM 2GB、ストレージ8GBを誇る。Androidのゲームをテレビでプレイするための、コントローラーもある。
ちょっと前まではXiaomi == スマートフォンだった同社も、今ではラップトップ, ドローン, 空気清浄機, スクーター, それにスマート炊飯器もあり、と手を広げている。今回は、そんな同社の米市場進出の本気を示す、お買い得製品と言えるだろう。
Mi Boxはもちろんスマートフォンではないが、Xiaomiのアメリカ進出が中途半端でないことを示している。スマートフォンは、すでに世界の10か国で売っている。本国である中国からスタートし、アジアを横断、インド、香港、シンガポール、インドネシアには支社も置いている。昨年の夏には、スマートフォンでブラジルにも進出した。
その間ずっと同社は、アメリカを避けてきた。それは特許権の問題、という説もあったが、その後Microsoftとの契約などによりそれらの問題を解決し、アメリカ進出は間近か、と思われた。しかし、中国での競争が厳しいことを忘れてはならない。現に最近ではHuaweiが長年のトップメーカーXiaomiを売上で追い越し、インドなどそのほかの重要市場でもXiaomは劣勢に立たされようとしている。
Xiaomiの国際部門のトップで同社Android技術のリーダーだったHugo Barraが最近Bloomberg誌に、スマートフォンでもアメリカに進出する準備を進めているが、それはそんなに早くない、と述べている。Mi Boxは、Xiaomiにとって興味深い試金石だ。これでアメリカの消費者たちの心に知名度とブランドイメージを築くことができたら、大成功と言える。同社の唯一のそのほかの取り組みとしては、1年あまり前からの、アメリカとヨーロッパにおけるスマートフォンアクセサリーのネット販売がある。