クラウドファンディングサービスのKickstarterが初めて行う買収として、ミュージシャンのDIYプロモーションサイトDripを獲得した。そこでは音楽アーチストたちが自分の新作や予告作などを軸にファンと交流し、また実際に売上を得ることもできる。
本誌は昨年の夏、5歳になったDripを取り上げたが、そこはインディーたちの人気コミュニティになっていたにもかかわらず、先月はついに閉鎖の危機に瀕した。Kickstarterが、実際に閉鎖を予定していた日の前日に買い上げたので存続が決まり、ファウンダーのSam Valentiによると、そのサイトとサービスは今後も継続する。
“Dripのサービスとコミュニティとクリエイターたちは活動を継続し、協同ファウンダーのMiguel SenquizはKickstarterのチームに加わって、Dripのビジョンの実現維持に努めていく”、と彼はMediumに書いている。
KickstarterのCEOで協同ファウンダーのYancey Stricklerによると、同社には何年も前からDripを敬愛する熱心なファンが多かったそうだ。
“アーチストとオーディエンスの絆を強化する、という意味では、両社はその心において同じ道を歩んできた。クリエイティブな文化がより活性化するための条件を育(はぐく)む、という基本的な姿勢は、Kickstarterにおいても同じだ”、と彼は説明する。
Dripはサービスを継続するが、SenquizがKickstarterチームの一員になることによって、Kickstarter上で今後、音楽などのクリエイティブプロジェクトがより盛んになるのか、そのへんはまだ不明だ。Stricklerは、コラボレーションによってクリエイターやオーディエンスへのサービスが“よりパワフルになる”、としか言わない。彼らの今後を見守ろう。