TechCrunchの読者の大部分はアフリカの某国の高官からの儲け話やフッシングサイトに近づくべきでないことを知っているだろう。しかし最近新手の悪事を企むものが増えているので注意を喚起しておきたい。
BBBによれば、いわゆるワン切り詐欺が増加傾向だという。
悪者はコンピュータ・プログラムを使って大量の電話番号に次々に電話をかけ、着信音が1、2回したところで切る。これで相手の端末に着信履歴を残し、しかも実際の通話はしない。つまり悪者は長距離電話料を負担しないですむ。ほとんどの人々は通話を返してこないが、なかには返してくる相手もいる。すると有料サービスにアクセスしたと称して料金を請求するという手口だ。
アメリカでワン切りの多くは+1の国番号をアメリカと共有するカナダやカリブ海の諸国から発信されることが多い。アメリカの連邦通信委員会(FTC)は有料電話サービスで課金するためにはユーザーの明示的な同意を必要とすると定めているからだ。そこでFTCの管轄の及ばない外国から発信するわけだ。〔日本では有線電気通信法により営利業者によるワン切りは違法とされている。また+81の国番号を使うのは日本のみ〕
こういう手口は以前にも流行った。しかしスマートフォンが普及したおかげで、今や人々は本当に重要な場合でなければ音声通話をかけなくなった。そこで音声通話の着信があるとうっかり返信してしまうことになりやすい。
こういう詐欺では「1秒ごとに巨額の料金を請求された」というホラーストーリーが語られることが多いが、実際にはそういう例は少ない。キャリヤはユーザーから苦情があればそういう料金請求を無効にしてしまうので、悪者はユーザーに料金請求を気が付かれないようにするのが得策なのだ。ワン切り詐欺では通話が開始されたときに数ドル、その後保留音楽などを流しながら毎分数ドル程度を請求することが多い。
しかし悪者が課金をしない場合でもワン切り番号に電話を返すのは危険だ。
- 人々が通話を返せその番号が実際に使われていることがわかる。スパムメールに「購読解除」ボタンを押してはいけないのと同じだ。相手が悪者ならそのメールアドレスが実際に使われていることをわざわざ教えてやるだけになる。
- 悪者に人々と会話する機会を与えることになる。「ワン切り番号に電話をかけ返してくるような人々なら『私は銀行のものですが暗証番号を確認します』といえば信じるかもしれないと悪者は考える。
対策:
- 見知らぬ番号には通話を返さない.
- どうしても通話したい事情がある場合は、その番号をGoogleで検索してみる。相手が悪者なら多くの場合「電話してはいけない。詐欺だ」という警告が出る。
- Androidデバイスなら4.4 KitKatにアップデートする。この最新OSは相手番号の確認機能を内蔵している。これは非常に強力で、安全な番号であるかどうかを教えてくれる。.
- 不審な請求がないかどうか電話料金の請求書を調べる。キャリヤは悪者についての膨大なデータを持っているので苦情を受ければたいていの場合、料金を返してくれる。
あらためて言うのもなんだが、見知らぬ相手には用心することだ。
[画像: jesadaphorn Shutterstock]
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)