Googleは、Google Walletを利用できるお店を増やすためにSoftcardを買収すると言われているが、そのほかにも、モバイルベースのトランザクションでPayPalなどと対抗するためにInstant Buy APIの積極的な利用を進めている。
2013年にAndroidでローンチしたInstant Buy APIは、昨年のiOS進出に次いで今度は、ほかの決済企業にも採用を広げようとしている。その一番バッターWePayがこのほど、同社の決済システムのバックエンドにこのAPIを統合した。
これによりWePayのユーザは自分の顧客たちに、代金の支払方法として、Google Wallet方式を提供できる。つまり彼らのお客さんたちは、PayPalのインスタントペイメントが提供しているような“わずか2クリック”の支払決済ができるようになるのだ。
WePayはGoogle以外の企業として初めてこのAPIを採用するが、それはGoogleがWePayの顧客InvoiceASAPにアプローチした結果だ。Invoice ASAPはおよそ20万の中小企業に請求書に対する支払サービスを提供しているが、WePayがInstant Buy APIを採用したことにより、ユーザにはGoogle Walletによる支払が選択肢の一つとして加わることになる。
もちろん今日からはInvoiceASAPだけでなくWePayのそのほかの顧客…Care.com、Constant Contact、FreshBooks、GoFundMe、Meetupなどなどのユーザも、Google Walletによる支払を選べるようになる。
WePayの協同ファウンダでプロダクト担当VP Richard Abermanはこう言う、“GoogleはGoogle Walletを本気で普及させようとしている。うちがその最初の企業になったことは、嬉しいね”。
Googleがねらっているのは、たしかに今ではモバイル上で請求を受け取る人が増えているが、それに対する支払を同じくモバイル上でやろうとすると、かなり面倒なこと。Googleは、その面倒を解消することを商機として捉えている。
WePayによると、トランザクションの20%しかモバイル上で行われていないが、しかし請求の70%はモバイルに…メール等で…来ているのだ。たしかにGoogleが考えるとおり、このギャップは大きな商機だ。
“モバイルでの支払決済が、やりにくくてかったるいからだよ”、とAbermanは語る。
InvoiceASAPのファウンダでCEOのPaul Hoeperが、声明文の中でこう言っている: “支払決済は払う人にとってもお金をもらう側にとっても、できるだけやさしくしたい。でもモバイルでは、それが難しかった。クレジットカードの情報も、モバイルでの入力は難しいから、モバイルで決済トランザクションをやらない人が多かったのだ”。
GoogleがGoogle Walletをこれだけ熱心に広めようとするのには、たぶんもうひとつの理由がある。Appleが今広めようとしている支払決済のユーザ体験に、負けたくないのだ。
Appleは、同社のApple Payサービスを、PayPalと互角のメジャーなサービスに育てたいと思っている。物理店だけでなく、オンラインやモバイルでもユーザが簡単に支払決済のできるサービスとして、だ。WePayのAbermanによると、同社も今、Apple Payの統合に取り組んでおり、数か月後には供用開始できる、という。
Google WalletのInstant APIが今どれぐらい採用されているのか、またWePayのようなサードパーティの採用が今後どれぐらい増えるのか、いずれも明確な数字は得にくい。iOSがこのAPIをサポートしたのは、昨年の7月だった。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))