OpenStackの管理コンソールを提供し、Flashを使った視覚化により、クラウドインフラのハードウェアとソフトウェアのスピードとパフォーマンスを最適化するMorphlabsが、このほど1000万ドルの資金を調達した。このラウンドを仕切ったのはTallwood ManagementとEntropy Research Labで、既存の投資家G2iGも参加した。Morphlabsの資金総額は2250万ドルになった。
サービスの部門で成長しているMorphlabsは、とくにアジアで伸びていて、ソフトウェアのターンキーソリューションを主にハードウェアのベンダに提供している。たとえば、DellのハードウェアはMorphlabsで最適化されている。Media Templeは、このDell-Morphlabsの統合を利用して小企業の顧客にクラウドサービスを提供している。
OpenStackがクラウド構築プラットホームと呼ばれるのには理由がある。企業はそれを使って独自のインフラストラクチャを構築し、そのエラスティックなインフラはほかのOpenStackシステムと連携できる。つまりそれは、大量のサーバの上にソフトウェアをインストールする、という単純な話ではない。それは総合的なシステムであり、その各部がデータセンターのさまざまな層に接続して、あらゆるものを一つの仮想化環境にプールする。いったん動き出したそのシステムは、同じくOpenStackを使っているほかのインフラストラクチャに接続できる。
今週の初めにVMwareのCEO Pat Gelsingerが、OpenStackはエンタプライズ方面では伸びない、と言った。私はその理由について考察してみたが、結局彼が言いたいのは、OpenStackはサービスプロバイダにとってのよりベターな選択である、ということなのだ。
たしかにそれは本当だが、今では複数のクラウドシステムの連携~連邦化が、とりわけフィリピンやインドネシア、シンガポールなどのアジア各国で台頭している。とくにそれらの地域の通信企業のクラウド採用形態は、OpenStackは公共サービスの分野と大企業の企業環境を支配するのだろうな、と思わせる初期的な兆候を示している。そして連邦化によって、彼らの拡張のためのスペースに制約がなくなる。そういう分散化によって、SaaSツールの利用から先進的なデータ分析に至るまでの、さまざまな利益がもたらされる。分散インフラストラクチャが良質であればあるほど、より多くのサービスや企業が成長し、雇用を増やしていける。
Morphlabsが競合する戦場は、今とても混み合っている。たとえばNebulaは、やはり同じような統合化方式により、カスタムメイドのOpenStackボックスを開発している。またHPやIBMは、そのインフラの何でも屋的な特性を生かそうとしている。
しかしそれでも、Morphlabsが見つけた環太平洋地域というクラウド処女地は、これからさまざまな企業や消費者市場がクラウドインフラストラクチャを積極的に導入していく地域なのだ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))